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第3話 悪魔を祓う者

ผู้เขียน: アイさん
last update วันที่เผยแพร่: 2025-12-12 11:48:30

この世界には悪魔がいました。

悪魔は夜にしか活動出来ないが生まれつき力が強く、人の心臓または目を好んで毎晩人を襲いました。

そんなある日1人の男が悪魔をこらしめました。

その男はこの国の王子様…否

この世で一番、悪魔に近くそして心無い男だった。

「…!はぁ…はぁ……何、今の夢。」

確か小さい頃読んでた絵本の内容だったけどすごく怖かったような…

「おはよぅ…」

「おはようミーナ。もう体大丈夫なの?」

「体?そういえば私、気絶してしまったんだね。全然覚えてないな」

昨日玄関前で気絶してからミーナの母親はミーナを家の中まで運びベットに寝かせたのだった。

一度目を覚ましたが疲れがたまっていたのかすぐに寝てしまったらしい。

ミーナは朝起きてから学校に行く準備をし、朝ごはんを食べ家を出た。

「行ってきます…」

「行ってらっしゃい。…どうしたのミーナ?元気ないわよ?」

「そ、そんなことないよ!じゃ、行ってきまーす!」

ミーナは昨日殺された友達は絶対来ないものだと思うと不安で仕方なかった。

まだ17歳のミーナには辛くそして悲しい現実だった。

学校に着いてクラスに行っても案の定友達の席には誰も座っていない。

やっぱりあの時…

キーンコーンカーンコーン

「はーい、じゃあ席につきなさーい」

私がカバンから教科書を机に移してるとタイミングよくチャイムがなりそれと同時に担任の先生が入ってくる。

「はい、それでは朝のホームルームから始めたいと思うのですが…その前に皆さんに大切な話があります。」

すると先生の顔がいかにも深刻そうな顔に変わった。

きっと友達の事だろうなぁ。

「…実は今日3人ほど学校に来ていませんが昨夜その親御さんから行方不明の連絡がありました。」

やっぱりシェスカ達の事だったんだ…

ミーナはそう思うととても心が痛かった。

別にミーナが悪いわけではないが自分だけが生き延びて学校に来てるのはおかしいと思ったからです。

「確かシェスカさん達はミーナとよく一緒にいましたが…何か心当たりはありますか?」

「……」

「ミーナ…さん?」

「実は…シェスカ達は…」

ガラッ

ミーナが言おうとした時、急に教室の扉が開いた。

扉を開けた人物にミーナは目を疑った。

それは昨日目の前で殺されたはずの…

「…!シェスカ!エミー!イルミ!…え、どうして…」

「ごめんね、ミーナ。ちょっと寝坊しちゃった。」

「先生ごめんなさーい!」

「とりあえず遅刻届出したんで座っても大丈夫ですかー?」

「全く三人とも…後で職員室まで来なさいよ!」

「「「はーーい!」」」

そう言って三人は自分たちの席に座りカバンの中から教科書類を移し始めた。

ミーナは三人が生きていた事に嬉しくて泣いていた。

良かった…本当に良かった…。あの時死んだと思ってた…。

「はい、ミーナさん!何があったのか分かりませんが泣かないの!

はい、ホームルームを始めるわよ!」

そう言って先生は5分ほどホームルームをして教室を出た。

ミーナは早く三人と喋りたくて終わってすぐに三人の机の近くまで来た。

「よかったぁー!三人とも無事で。シェスカ胸大丈夫なの?」

「え…ま、まぁ何とか大丈夫だったみたい。」

「エミーもイルミも大丈夫?」

「わ、私はほら。そんなすぐ死ぬ奴じゃないでしょ?あははは」

「運が良かったっていうか…何ていうんだろ?…まあそんな事いいじゃない!」

「なんかみんなよそよそしぃ!ねえねえ、今日もいつものとこに遊びにいこーよ!」

「遊ぶ?…あー、いつものとこね!分かったわ!」

「やったぁー!あ、その前にちょっと私トイレ行ってくるー!」

ミーナがトイレに行くと同時にチャイムがなり、ミーナはヤバイと言いながら走ってトイレに行った。

チャイムがなったことでクラスの生徒達がミーナ以外全員戻ってきた。

そして最初の授業の先生が入ってきて主席名簿を取り出した。

「ミーナはトイレか。しょうがない…。じゃああいつ抜きで出席確認をするから返事しろよ。」

先生はそれぞれの名前を読み始め、名前を呼ばれた生徒はそれに対して返事をする。

「……ニヤァ…」

「…そろそろだな。」

「お腹すいたぁー…」

授業が始まってからすぐに、シェスカとエミーとイルミが急に席を立ったので生徒達と先生は三人に注目した。

「おい、お前ら何立ってんだ!早く座らんか!」

「……」

「……」

「…ニヤァ」

嬉しい。

あの三人が生きて学校に戻ってきてくれて本当に良かった。

これでまたいつものように楽しく学校で…

ミーナはお手洗いを済ませて手を洗い鼻歌を歌いながら教室に戻った。

教室につくと授業中のはずなのにドアが開いてた。

あれ?なんで開いてるんだろ?

…まっ、いっか!

「先生!遅れてすいませんでし…」

「きゃぁぁあ!!!」

そこにはミーナがトイレに行ってた3分くらいの間人の血で染まっていた。

「みんな…みんな!何があったの!ねぇ?…先生!」

みんなに声をかけるが誰1人返事を返さない。

生徒達のほとんどは体の原型をとどめられないくらい八つ裂きにされていて、先生に関しては目と心臓部分を抜き取られていた。

「目と心臓が…ない……うっ…ハァ、ハァ…」

先生の死体を見てミーナは思い出した。

こんな殺し方普通の人間には出来ない。それにシェスカ達だけいないみたい。これは…

ピーンポーンパーンポーン

すると突然学校のアナウンスがなった。

「全校生徒の皆さんに伝えます!

今すぐ学校から逃げてくださ…グシャ!」

アナウンスの人は言い終わる直前に何かあったようだ。

するとこの階の端から叫び声が聞こえる。

「きゃぁぁ!」「助けてー!」

グシャァ!!!

「ひっ…ひっ…」

ミーナは今度は自分の番だと思い、学校の外を目指して走った。

(殺される!逃げなきゃ殺される!)

「どこ行くの?ミーナ?」

するとその前にはさっき教室にいなかったシェスカが手を後ろに組んで立っていた。

「…シェスカ……」

「どこ行くのミーナ?」

シェスカは腕を後ろに組んだまま笑顔でこっちに近づいてくる。

まるで腕を隠しているようだった。

「どうしたの、ミーナ?なんでそんなに汗かいてるの?」

「…あなた、誰?」

「え、シェスカよ?急にどうしたの?」

「違う!あなた…いや、他の二人も…あなた達一体、何者なの?」

「……」

「答えて!本物のシェスカは…エミーやイルミはどこ行ったの!?ねぇ!」

ミーナの問に答えようとしないシェスカ。

するとシェスカの後ろから声が聞こえた。

「あー、おいしかった…ジュルッ…」

「お腹もだいぶ落ち着いたって感じ♪」

「エミー!イルミ!…その手はもしかして…」

後ろから現れたエミーとイルミの手は人の血で真っ赤になっていて、エミーは血の付いた手をおいしそうに舐めていた。

「あれ、あんなところに餌(人間)が残ってるー!」

「ほんとだ!シェスカ、食べてもいいよね?」

するとさっきまで黙っていたシェスカはニヤリと笑い、そして。

「…あぁ、いいでしょう…。血の一滴残さずにね。」

「シェスカ…エミー…イルミ…。やっぱりあなた達…」

「悪いわね、ミーナ。私たちはもう人ではないの。だから正直あなたの事なんてどうでもいいから…死んで?」

「うっ…うっ…」

ミーナは絶望のあまりその場に立ち崩れてしまった。

まさか自分の友達が悪魔になってしかも学校の人たちを殺しているのだから。

(悪魔は…死んだ人間にまで絶望を与えるの?…シェスカ達がそんな事思うわけない。)

「あははは!安心して!私が食べてあげるからぁ~!!」

エミーが最後に言うとエミーの体が昨日の化け物のような姿に変わりミーナを襲った。

グシャァァ!!

「!?ガァァぁぁああ!!」

「…あれ?私死んで…」

襲われたミーナは無傷で代わりに襲ってきた悪魔のエミーが胸を大剣で刺されていた。

「…何者だ、貴様!」

そこには昨日ミーナを助けた黒いローブの男が大剣を持って立っていた。

「あ、あなたは昨日の…」

「…こんな時間に活動する悪魔がいるとは…」

あの時は夜だったため顔がよく分からなかったが今はローブについてるフードを被っていて顔が見えなかった。

するとさっきまで胸を刺されてもがいてたエミーは次第に胸の傷が再生して立ち上がり、ローブの男を睨みつけた。

「殺してやる!殺して…コロシテ…ヤル!」

するとエミーの身体はさっきよりも化け物みたいな姿に変わっていった。

その姿は例えるなら悪魔というより二本足で立っている狼のようだった。

そしてエミーは一瞬で男に迫り、爪を連続で繰り出した。

しかし、ローブの男はその攻撃を息一つ切らすことなく全て大剣で防いだ。

「エグッテヤル!…エグル…エグル!!」

エミーが激しく攻撃してもローブの男にダメージを与えることはできず、これ以上やってもラチがあかないローブの男はエミーを大剣で吹き飛ばした。

吹き飛ばしたその隙に左手で空間に穴を空けて、ローブの男はその穴をくぐり抜けその場から消えた。

「…ドコダ…ドコイッタ…。出テ来イ!…エグッテヤr…ガハァ!」

突然エミーの背後から現れたローブの男は隙だらけのエミーの背後を大剣で縦に切りつけ、エミーは血を吐きながらその場に倒れてしまった。

「エミーーー!!!」

悪魔の姿になっても友達だったエミーを2度も殺される所をミーナは涙をボロボロ流しながらそれを見るしか出来なかった。

「頭の悪い悪魔はやり易い。…次はどっちだ…かかってこい。」

「てめぇ!エミーをよくもっ!」

「やめな、イルミ。仲間を殺されて悲しむなど愚かな人間のやることだ。」

今度はイルミが姿を変えようとしていたが、シェスカはそれを止める。

そしてシェスカはローブの男に質問した。

「貴様は何者だ?その魔力からして人間ではないのは確かだが悪魔でもないな。」

するとローブの男は大剣を下ろすと被っていたフードを脱ぎながら答える。

「…お前らのように人を喰らう存在がいれば、その悪魔を喰らう存在もいる。」

「悪魔を…喰らう存在?」

フードを脱ぐと男の髪と瞳は炎のように真っ赤に染まっていた。

「俺は貴様ら悪魔を食い殺すために自ら悪魔と取引し、力を手に入れた。名はない。だが周りは俺をこう呼ぶ。」

「紅の悪魔祓い、グレン。」

そう言うとグレンと名乗った男は着ていたローブを脱ぎ捨て、大剣を構えた。

「紅の…悪魔祓い…なるほど、通りでエミーを一瞬で殺せたのか。しかし悪魔祓いが本当にいるとはな。」

(しかし、悪魔祓いの奴がなぜここに?それになぜ他の生徒は助けずにミーナだけを助けるんだ?)

シェスカが考えているとグレンは大剣を構えて迫ってきた。

それをイルミが爪で防御し大剣を止めた。

「いきなりシェスカはないでしょ?悪魔祓い…さん!!」

イルミは最後の語尾だけ強く言い、大剣をはじいた。

「あははは!エミーを殺したからって調子乗らないでね!今からあなたを綺麗に串刺しにしてやるから!」

するとイルミの両手の爪はゴムのように伸び縮みし、伸びた爪でグレンを襲う。

グレンはローブを脱いだのか動きが早くなり、余裕の表情で大剣を使って防ぐ。

「余裕ぶってんのも今の内よ!ほらっ!」

イルミが言うと一本の爪が大剣を滑るようにかわし、そのままグレンの腕をかすった。

他の爪も同様、次第に大剣を滑るようにかわしてかすり出す。

「ほらほらぁ~!どんどん当たってきてるわよぉ?疲れちゃったの?」

グレンはまるで軟体動物の触手みたいにグニャグニャする爪に苦戦していた。

グレンは左横に空間の穴を空けて再びイルミの背後を狙おうとした。

だが、動きを読まれていたのかイルミは伸びた爪を引っ張ってきて防ぐ。

「残ねぇ~ん!さっきの見て思ったんだけどあんた相手の背後狙うの好きだねぇ?」

イルミは伸び縮みを利用して横に爪を振りきった。

グレンはとっさに空間移動したが右腕だけ少し切り傷が入り、そこから血が流れていた。

「あらら~、痛そうね。てかさ、いい加減本気出したら?」

「…」

「とぼけないで。悪魔と取引きしたのにそんな弱いわけないでしょ?それとも本気の出し方を知らないの?」

イルミが言うとグレンは一回ため息をつき、そして。

「…いいだろう。少しだけ本気を出す。だが、これだけは言っておく…」

そしてグレンの立ってるところから黒い魔法陣が現れるとそこから黒い炎が発生し、その炎はグレンの身体を纏う。

「…どうなっても知らないからな…。」

グレンは黒炎を大剣に纏い、再び構えた。

「へー、さっきよりも魔力は上がったみたいね。けど炎じゃ私を倒せないわよ!」

イルミは爪を伸ばしてグレンを襲い、グレンはさっきと同じようにそれを大剣で防ごうとした。

「あははは!あなた学習能力ないわね!八つ裂きにされなさ…」

「イルミ!離れなさい!」

「えっ…きゃぁあああ!!」

イルミの爪は大剣に触れるとそこから黒炎が勢いよく燃え移り、イルミの身体を燃やした。

そしてグレンは空間移動を使ってイルミの近くまで移動し、黒炎を纏った大剣で縦に切りつけた。

グシャァッ!!

「ガァッ…!ガッ…」

「悪魔の炎は相手がチリになるまで燃え続ける漆黒の炎。お前が消えるまで炎は消えない。…これが悪魔と取引して手に入れた力だ。」

「ガァッ…ァ…ァ………」

イルミは次第に声が聞こえなくなり、そのまま黒炎によってチリになって消えてしまった。

「イル…ミ…うぐっ…」

イルミまで目の前で殺されてミーナは言葉が出なかった。

「最後はお前か…銀髪の女……いや、悪魔だな。」

グレンは大剣でシェスカを指す。

シェスカは黒炎によってチリとなったイルミを見ても表情を変えることはなく、寧ろ口角を吊り上げて不敵に笑った。

そして身体を化け物に変異し視線をグレンに向けて言った。

「あなた何か勘違いしてない?確かにあなたは強いわ、人間にしてはね。けどあなたは私には勝てない。そう、そんな悪魔の力を借りた程度じゃワタシニハ…カナワ…ナイ!…グルルルッ!」

シェスカは言葉を発するに連れて理性を保てずに獣のような唸り声を出していき、グレンを獲物と認識したかのように睨んだ。

そして一気に襲いかかり、右手の爪を上から思い切りグレンに振り下ろした。

グレンは空間移動の魔法で一瞬でその場からいなくなると一瞬でシェスカの背後に現れて横に斬る構えをとった。

しかし、シェスカはそれに気づいてたらしくすぐに判断して爪で大剣を防いだ。

そして剣ごとグレンを後方に押し飛ばした。

「オナジ…マホウ…キカナイ。グルルルッ…」

飛ばされたグレンは廊下の一番端の壁に背中から直撃し、血を吐いて片膝をついた。

「ガッ…ぐ…っぺっ!…」

「マ…ダ…マ…ダ…」

グレンが立ち上がろうとした直後、目の前には爪を引っ込めた状態で接近してきたシェスカは手を拳に変え、グレンを殴りまくった。

グレンは避けることができず只々その攻撃を受けていた。

…いや、この時は受けているように見えた。

容赦なく殴り続けるシェスカ。

通常、悪魔に1発でも殴られた人間は全身の骨が粉砕し再起不能の状態になるほど筋力が特化している。

グレンはその何倍も殴られた。

普通の人間ならまず生きることはできない。

ひとしきり殴ったシェスカは悪魔の姿から人間の姿に戻り、理性の失ってた声は落ち着きを取り戻した。

「まあ、こんだけ殴ったら普通死ぬわね。…さて、そろそろ食べさせてもらうわよ?ミーナ?」

ジュルリとヨダレの音を立て、爪を伸ばしてミーナに近づく。

ミーナは恐怖で怯え立ち上がることができず腰をつけたまま後ずさりしていく。

「あーらあら。人間って本当に愚かね。さっさと殺されたら楽になれるのにね。こいつみたいにさっさと楽になれば…」

シェスカが後ろにいたグレンを指差そうとした時、その指は急に捕まれそのまま関節の曲がらない方向にねじ曲げられた。

「ガァァァァ!!っ…なんで倒れてないの!?普通の人間なら死んでるはず…」

「普通の人間なら…だろ?」

シェスカの指をねじ曲げたのはまるでさっきのダメージを受けてないかのように涼しい顔をしたグレン。

ねじ曲げて取ったシェスカの指を黒炎を発生させてチリにした。

「なぜダメージを受けてないんだ…そんな顔してるな、クソ悪魔。」

「反(リバース)魔法ー、相手から受けた物理攻撃を吸収し自分の力に変換する。そして…」

拳を強く握りしめ、足を一歩前に出すとシェスカは反射的に一歩後ろに下がった。

「俺はお前と全力で戦ってない。」

そう言ってグレンは魔法を纏っていない右拳をシェスカの腹にぶち込んだ。

反魔法によってダメージを吸収したことによって魔法を纏ってないのにも関わらず拳から衝撃が発生しシェスカの腹はえぐれ内臓が飛び散る。

あまりの痛みにシェスカは意図せずに悪魔に変異してもがき苦しんだ。

「がっ…ガァァァァァァア!!!ああ…ァあ…」

悪魔か人間かどちらかわからない状態でもがき苦しむシェスカ。

そんなシェスカをグレンは一旦その辺に置いていた大剣を再び持って剣先でシェスカを指した。

「お前に人間として生きる道はない。とっとと死にやがれ」

剣を振り上げてシェスカの息の根を止めようとするグレン。

「やめてーー!!!」

剣を振り下ろそうとした瞬間、ミーナの叫び声によって剣の動きが止まる。

「邪魔するな、女。こいつは悪魔、殺さなければこっちが殺される。」

「分かってる…分かってるわよ、そんなこと!分かってる…。でも…その悪魔…シェスカは私の友達。どんな姿になっても…友達…友達だから!だから…シェスカを…助け…」

ミーナは涙を流しながらのため呼吸が下手になり、そうながらも友達を守るために必死で阻止しようと声を振り絞った。

しかし、グレンは表情を一切変えずに

「昨日の夜言ったはずだ。昨日の事、友達の事は忘れた方がいいと。それにこいつら悪魔は人間の心臓を食うことで新たな悪魔を生み出す。このシェスカも悪魔に身体を乗っ取られただけだ。残念だがこいつは殺す。」

そして剣を振り下ろし、シェスカからは悪魔特有の黒い血しぶきが飛び散った。

それを見てミーナは狂ったように発狂し、その場に崩れ落ちた。

グレンは大剣をポケットのような空間にしまい込みミーナに近づくとしゃがんで彼女の頭をさすりながら彼女の目を見て言った。

「悪魔は残酷だ。人間の心臓を奪って殺し、殺した死体に新たな悪魔を誕生させて他の人間の心臓を奪うという負の連鎖を繰り返す生物だ。…まずはこの学校を殺された死体ごと燃やさなければならない。出るぞ。」

グレンはミーナの頭を触りながら転移魔法で外に移動した。

外に転移したグレンとミーナは学校の入り口の前まで移動した。

グレンはミーナに側から離れろと言うとミーナはグレンから20メートルくらいまで離れ、離れたのを確認すると両手を入り口前の地面に置いた。

「ー黒炎よ、負の魂を焼き払えー」

グレンが魔法を唱えると学校を囲むような黒い魔法陣が発動し、学校の校舎は黒炎によって黒く燃え始めた。

その黒炎は普通の炎と違い、辺りに燃え広がることはなくその校舎の位置だけを燃やしていく。

「ギャァァァァ…」

殺された人間の何人かは悪魔になって復活したが、学校ごと燃やしたため中で悪魔の声らしきものが聞こえてきた。

グレンが学校を燃やしたのは一見残酷だが殺された人間が悪魔になって他の人たちを襲わせないためである。

燃えていく学校を見ながらグレンはミーナに言った。

「お前はこれを見て辛いか?」

「…辛い…でも、仕方ないよね。もし学校を燃やさなければ大量の悪魔ができちゃうもんね…」

「その通りだ。辛いと思うが今起きたこの現実を決して忘れるな。」

「…うん。」

ミーナの精神状態はもうまともで入れる状態ではなくグレンの言ってることをぼーっとしながら聞き流すようにコクっと頷いた。

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    一方、魔導戦艦を撃破した東の大国側は更なる北の大国の攻撃に備えて避難誘導が行われていた。次も都市部を襲撃してくるであろう北の大国の動向を予想し、国民達は総面積20㎢あるノーム王の城の城壁内へと誘導される。勿論全員を城壁内に誘導は出来ない。そこでグロードやネルが持つ空間移動の力で、子供を優先して他国へ転移させる事にした。行き先は西の大国イフリークと南の大国シルフ。両国は復興作業が順調に進んでおり、既に避難の受け入れが整っている状態であった。カイルはイフリークの騎士団に。そしてシルフの王の証を継承したフィナは大国に連絡した事によりスムーズに避難誘導が行えている。そしてカイルの両親と妹のレイアはグロードに空間転移でイフリークに転移させられる予定であった。「父上、母上。レイア。戦争が終わったら必ず迎えに行くから。」「うむ。カイル、無事を祈る…。」「カイル…絶対に生きて帰って来てね。」小さく返事するカイルの父親であるが、やはり心配なのか表情は暗かった。母親のカルラはやはり心配であり、涙を流しながら言った。そしてレイアはカイルに抱きついた。「…お兄ちゃん」強く抱きしめるレイアはカイルの胸に顔を埋める。「…大丈夫。大丈夫だから。」そんなレイアに優しく頭を撫でながらそう言うと、レイアはゆっくりとカイルから離れた。そして視線を後ろに居るミーナ、エミル、ライク、ニケルに向ける。「ミーナちゃん。エミルお姉ちゃん。」まずはミーナとエミルに向かって言う。「レイアちゃん。…また戻ったら一緒にお話ししよ!」両手を膝に付き、少ししゃがんだ姿勢のまま笑顔で言うミーナ。「そうね。レイアちゃんも、気をつけるのよ。」レイアの頭をポンポンと撫でてあげるエミル。「うん!またいっぱいお話ししよ!」そして今度はライクに向けて言った。「ライクお兄ちゃん!無茶な事は絶対にしないでね!」「…無茶な事しねーと勝てねえんだよ。」相変わらず、レイアに対してもぶっきらぼうに返事するライクであるがその返事に泣きそうになりながら。「だって、ライクお兄ちゃん1人で突撃して行きそうで怖いんだもん!」「わ、悪かった!ちゃんと気を付けるって!」泣きそうになるレイアを慌てて宥めるライク。そして最後にニケルに向いた。「ニケル様…。」「レイアちゃん…。」レイアとニケルはし

  • 悪魔祓い(デビルブレイカー)   第44話 北の大国ウンディーネ

    他国への軍事侵攻と併合を繰り返すことで領土を拡大している巨大な大国。ここは北の大国ウンディーネ。魔力資源と軍事拡張を国家存続の核とする極端な軍事国家であり、その統治思想は「戦果こそが存在価値」という歪んだ成果主義で統一されている。戦争で功績を挙げた者は地位・富・名誉を得る権利が与えられ、失敗者や非戦闘員には価値がほぼ与えられない。戦争で功績を挙げられなくとも、国家の軍事力拡大に繋がる軍資金を納めれば国から認められる。この仕組みを国民達に徹底させる為、この国では目に見える形で国民を上級、中級、下級という風に位置付け差別化した。どういう事か?その位置付けは国民の居住地域で分けられた。上級は名前の通り、貴族や戦争功労者など富裕層を指す。中級の国民は主に庶民の人達であるが、この者達は努力次第では軍に入隊し功績を上げる事で上級へと位を上げる事が出来る。そして下級は名前の通り、国の中でも最下層の人間の事を指す。大抵の下級国民が暮らす場所は政府の目に届かない場所に位置している為、治安が悪く劣悪な環境。ここには国に対する反逆行為を行った者、犯罪を行った者、北の大国の軍事侵攻により領土を奪われたその土地の人達が住んでいた。以前ライクとニケル、グロードが北の大国に訪れた際に出会った孤児の兄弟も下級国民であった。(第24話参照)下級国民は全てにおいて最底辺であり、人権というものは殆ど存在しない。これは領土を奪った他国の人間が自国に対して反撃しない為の抑止力にもなるが、それだけでは無い。先程説明した様に中級国民も犯罪や反逆行為を行う事で下級国民に成り下がる可能性があり、国民はそれを恐れていた。ーーこんな底辺の人間にはなりたく無い。こうして劣悪な環境の中で過ごす最底辺に自分もなる可能性がある事を知らしめる。それにより、国民全員に危機感を持たせながら国の為に必死で働かせられるのだ。また、人間とは自分より下を見て優越感に浸る生き物。自分達よりも底辺の人間が居る事により優越感に浸らせれば、国民のストレスの捌け口は自然と下級国民へと移る。この「働き蟻の法則」にも似た様な差別化の仕組みが、北の大国という巨大な軍事国家を成り立たせていた。「軍事の為に働かざる者、人としての権利を得るべからず。」北の大国にはその様な言葉が昔からあった。この国民の差別化。一見

  • 悪魔祓い(デビルブレイカー)   第43話 崩壊する信頼③

    魔導戦艦。それは北の大国が保有する、空中を駆ける全長200m、全幅80m、全高75mを誇る巨大飛行戦艦である。戦艦の全方位には大量の巨大な大砲が敷き詰められてある。それら全て、[魔導砲・アステリア]と呼ばれる以前グレンが魔導兵器であるレイクと戦った時に使用されていた大砲が搭載されている。(第36話参照)軍事大国である北の大国ウンディーネ軍の技術開発局が開発したこの戦艦。実は東の大国ノームにとって因縁のある存在であった。「魔導戦艦。我ら東の大国の技術を盗んでそれを軍事転用した巨大飛行戦艦か。」バンジョウの言う通り、この魔導戦艦は約100年前に東の大国が開発した魔力式四輪駆動車の技術を改良されて作られた。100年前、東の大国ノームにやってきた北の大国ウンディーネ出身の亡命者が居た。ウンディーネは諸国周辺の国に戦争を仕掛けては勝利して自国の領土を拡大していく軍事国家であり、戦争は絶対正義であるかの様に指導される。戦争、又は軍事に反対的な意見を持つ人間は処罰の対象となる為、それが嫌で亡命する北の大国の人間は当時珍しく無かった。ノームはそのウンディーネからやってきた亡命者に仕事を与え、彼は元々軍の整備士の仕事をしていた為、機械的な物を作る仕事を与えた。しかし、これは大きな間違いに繋がるのであった。数年後、その亡命者は突如ノームから居なくなり、その数年後にウンディーネ軍がノームに対して戦争を仕掛けてきた。当時ウンディーネの魔導戦艦が、ノームで作られていた魔力式四輪駆動車と全く同じ技術を使用して作られていた為、それに気付いたノームの国民は怒った。ーー亡命してきたあの男は、我々の技術を盗む為のウンディーネ軍が遣わせたスパイだったのだと。そして100年前、この事がきっかけで北と東の大国は規模は小さいが戦争に発展しており、戦争が終結してからその後4大国間同士で不可侵条約は結ばれているが未だ北と東の関係性は悪いままである。(第16話参照)今までは嫌がらせの様な北の大国のミサイルを東の大国近辺に放っていたが、今回の様な魔導戦艦で領空に入ってきた事は一度も無かった。明らかな領空侵犯(りょうくうしんぱん)であり、東の大国ノームに対する威圧行為だ。到底許される事では無い。「このままでは国民が危険だ!一刻も早く迎え撃つ準備を!」ギンジは八握剣(やつかのつるぎ)

  • 悪魔祓い(デビルブレイカー)   第13話 南の大国シルフ

    その頃、ミーナ達はグレンとカイルが乗った馬車と離れてしまい、現在は残った人達を騎士団達は馬車の外に集めさせた。しかし、集められた一般の人達は数日前の事件から現在まで散々な目に遭っている為不満が高まっているのか騎士団の人達に文句を言っていた。「どういう事なんだよ!馬車が無くてどうやって移動するんだ!」「お前ら騎士団だろ!俺たち今物凄く困ってるの見てわかんねーのかよ!」「そうよ!私達はこれからどーなるのよ!」「何とかしろ!騎士団だろ!」口々に罵声を飛ばす一般の人達。無理もない。つい数日前までは平和に過ごしていたのだ。急にこんな事が続けば誰だって普通じゃいられなくなる。しかし、一般

  • 悪魔祓い(デビルブレイカー)   第12話 邂逅

    あの日、私とその親友であるカイル・エリオンは家へ帰る途中で何者かに誘拐された。そして気づいた時はもうどこか分からない暗い暗い檻の中に閉じ込められていた。なぜ閉じ込められていたのかはあまり覚えていないけど、多分親から身代金としてお金を手に入れる為に利用しようとしたのだと思う。自分の親は確かに裕福だった。それは認める。けど裕福は幸せとイコールではない。お金があるから周りから違う目で見られ誰1人して私を対等に扱おうとした者はいなかった。親もお金が全てという考えの人でお金で私の人生を奪おうとした。私は小さい頃から一人ぼっちだった。檻の中にいる時、既に私は全てを諦めてしまっていた。意

  • 悪魔祓い(デビルブレイカー)   第11話 嫉妬の悪魔

    時は少しさかのぼり、現在ミーナとハンジはグレンの部屋に向かおうとしていた。 「グレンの部屋は確か…こっちです!」 ミーナはハンジをグレンの部屋へと誘導していく。 そして、グレンの部屋の前まで着いた。 「グレン、大変だよ!カイル君が盗賊に…って、あれ?」 部屋を開けるがどこにもグレンの姿が見当たらなかった。 「…いないみたいね。」 「本当に、グレンは…」 こんな時でも勝手な事をするグレンに呆れるミーナ。 「どこ行ったのでしょうか?」 「分からないです…でも、あまり自分から動かないグレンが自分から動くって事は何かあるって事だと思いますよ。…何か、嫌な事が起こ

  • 悪魔祓い(デビルブレイカー)   第10話 更なる襲撃

    あれから数日後、助かったイフリークの国民達は他国の騎士団に救助されることになった。 絶望、それは誰しもがそう感じているだろう。 つい数日前まで、人と魔法で賑わっていたイフリークは見る影もなかった。 救助に来た他国の騎士団はイフリークの国民達を自分たちの国である南の大国 シルフに連れて行く事になり、カイル達も含めた騎士団や国民達は用意された100台以上ある馬車に乗せられた。 そこにはどういう訳かグレン達も乗る事になり、当然カイルはグレンに睨みを効かせる。 「おい…なんでお前がここに乗ってんだ?」 するとそれに対して軽く受け答えするグレン。 「俺たちは次に目指すところは

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