FAZER LOGINこの世界には悪魔がいました。
悪魔は夜にしか活動出来ないが生まれつき力が強く、人の心臓または目を好んで毎晩人を襲いました。 そんなある日1人の男が悪魔をこらしめました。 その男はこの国の王子様…否 この世で一番、悪魔に近くそして心無い男だった。 「…!はぁ…はぁ……何、今の夢。」 確か小さい頃読んでた絵本の内容だったけどすごく怖かったような… 「おはよぅ…」 「おはようミーナ。もう体大丈夫なの?」 「体?そういえば私、気絶してしまったんだね。全然覚えてないな」 昨日玄関前で気絶してからミーナの母親はミーナを家の中まで運びベットに寝かせたのだった。 一度目を覚ましたが疲れがたまっていたのかすぐに寝てしまったらしい。 ミーナは朝起きてから学校に行く準備をし、朝ごはんを食べ家を出た。 「行ってきます…」 「行ってらっしゃい。…どうしたのミーナ?元気ないわよ?」 「そ、そんなことないよ!じゃ、行ってきまーす!」 ミーナは昨日殺された友達は絶対来ないものだと思うと不安で仕方なかった。 まだ17歳のミーナには辛くそして悲しい現実だった。 学校に着いてクラスに行っても案の定友達の席には誰も座っていない。 やっぱりあの時… キーンコーンカーンコーン 「はーい、じゃあ席につきなさーい」 私がカバンから教科書を机に移してるとタイミングよくチャイムがなりそれと同時に担任の先生が入ってくる。 「はい、それでは朝のホームルームから始めたいと思うのですが…その前に皆さんに大切な話があります。」 すると先生の顔がいかにも深刻そうな顔に変わった。 きっと友達の事だろうなぁ。 「…実は今日3人ほど学校に来ていませんが昨夜その親御さんから行方不明の連絡がありました。」 やっぱりシェスカ達の事だったんだ… ミーナはそう思うととても心が痛かった。 別にミーナが悪いわけではないが自分だけが生き延びて学校に来てるのはおかしいと思ったからです。 「確かシェスカさん達はミーナとよく一緒にいましたが…何か心当たりはありますか?」 「……」 「ミーナ…さん?」 「実は…シェスカ達は…」 ガラッ ミーナが言おうとした時、急に教室の扉が開いた。 扉を開けた人物にミーナは目を疑った。 それは昨日目の前で殺されたはずの… 「…!シェスカ!エミー!イルミ!…え、どうして…」 「ごめんね、ミーナ。ちょっと寝坊しちゃった。」 「先生ごめんなさーい!」 「とりあえず遅刻届出したんで座っても大丈夫ですかー?」 「全く三人とも…後で職員室まで来なさいよ!」 「「「はーーい!」」」 そう言って三人は自分たちの席に座りカバンの中から教科書類を移し始めた。 ミーナは三人が生きていた事に嬉しくて泣いていた。 良かった…本当に良かった…。あの時死んだと思ってた…。 「はい、ミーナさん!何があったのか分かりませんが泣かないの! はい、ホームルームを始めるわよ!」 そう言って先生は5分ほどホームルームをして教室を出た。 ミーナは早く三人と喋りたくて終わってすぐに三人の机の近くまで来た。 「よかったぁー!三人とも無事で。シェスカ胸大丈夫なの?」 「え…ま、まぁ何とか大丈夫だったみたい。」 「エミーもイルミも大丈夫?」 「わ、私はほら。そんなすぐ死ぬ奴じゃないでしょ?あははは」 「運が良かったっていうか…何ていうんだろ?…まあそんな事いいじゃない!」 「なんかみんなよそよそしぃ!ねえねえ、今日もいつものとこに遊びにいこーよ!」 「遊ぶ?…あー、いつものとこね!分かったわ!」 「やったぁー!あ、その前にちょっと私トイレ行ってくるー!」 ミーナがトイレに行くと同時にチャイムがなり、ミーナはヤバイと言いながら走ってトイレに行った。 チャイムがなったことでクラスの生徒達がミーナ以外全員戻ってきた。 そして最初の授業の先生が入ってきて主席名簿を取り出した。 「ミーナはトイレか。しょうがない…。じゃああいつ抜きで出席確認をするから返事しろよ。」 先生はそれぞれの名前を読み始め、名前を呼ばれた生徒はそれに対して返事をする。 「……ニヤァ…」 「…そろそろだな。」 「お腹すいたぁー…」 授業が始まってからすぐに、シェスカとエミーとイルミが急に席を立ったので生徒達と先生は三人に注目した。 「おい、お前ら何立ってんだ!早く座らんか!」 「……」 「……」 「…ニヤァ」 嬉しい。 あの三人が生きて学校に戻ってきてくれて本当に良かった。 これでまたいつものように楽しく学校で… ミーナはお手洗いを済ませて手を洗い鼻歌を歌いながら教室に戻った。 教室につくと授業中のはずなのにドアが開いてた。 あれ?なんで開いてるんだろ? …まっ、いっか! 「先生!遅れてすいませんでし…」 「きゃぁぁあ!!!」 そこにはミーナがトイレに行ってた3分くらいの間人の血で染まっていた。 「みんな…みんな!何があったの!ねぇ?…先生!」 みんなに声をかけるが誰1人返事を返さない。 生徒達のほとんどは体の原型をとどめられないくらい八つ裂きにされていて、先生に関しては目と心臓部分を抜き取られていた。 「目と心臓が…ない……うっ…ハァ、ハァ…」 先生の死体を見てミーナは思い出した。 こんな殺し方普通の人間には出来ない。それにシェスカ達だけいないみたい。これは… ピーンポーンパーンポーン すると突然学校のアナウンスがなった。 「全校生徒の皆さんに伝えます! 今すぐ学校から逃げてくださ…グシャ!」 アナウンスの人は言い終わる直前に何かあったようだ。 するとこの階の端から叫び声が聞こえる。 「きゃぁぁ!」「助けてー!」 グシャァ!!! 「ひっ…ひっ…」 ミーナは今度は自分の番だと思い、学校の外を目指して走った。 (殺される!逃げなきゃ殺される!) 「どこ行くの?ミーナ?」 するとその前にはさっき教室にいなかったシェスカが手を後ろに組んで立っていた。 「…シェスカ……」 「どこ行くのミーナ?」 シェスカは腕を後ろに組んだまま笑顔でこっちに近づいてくる。 まるで腕を隠しているようだった。 「どうしたの、ミーナ?なんでそんなに汗かいてるの?」 「…あなた、誰?」 「え、シェスカよ?急にどうしたの?」 「違う!あなた…いや、他の二人も…あなた達一体、何者なの?」 「……」 「答えて!本物のシェスカは…エミーやイルミはどこ行ったの!?ねぇ!」 ミーナの問に答えようとしないシェスカ。 するとシェスカの後ろから声が聞こえた。 「あー、おいしかった…ジュルッ…」 「お腹もだいぶ落ち着いたって感じ♪」 「エミー!イルミ!…その手はもしかして…」 後ろから現れたエミーとイルミの手は人の血で真っ赤になっていて、エミーは血の付いた手をおいしそうに舐めていた。 「あれ、あんなところに餌(人間)が残ってるー!」 「ほんとだ!シェスカ、食べてもいいよね?」 するとさっきまで黙っていたシェスカはニヤリと笑い、そして。 「…あぁ、いいでしょう…。血の一滴残さずにね。」 「シェスカ…エミー…イルミ…。やっぱりあなた達…」 「悪いわね、ミーナ。私たちはもう人ではないの。だから正直あなたの事なんてどうでもいいから…死んで?」 「うっ…うっ…」 ミーナは絶望のあまりその場に立ち崩れてしまった。 まさか自分の友達が悪魔になってしかも学校の人たちを殺しているのだから。 (悪魔は…死んだ人間にまで絶望を与えるの?…シェスカ達がそんな事思うわけない。) 「あははは!安心して!私が食べてあげるからぁ~!!」 エミーが最後に言うとエミーの体が昨日の化け物のような姿に変わりミーナを襲った。 グシャァァ!! 「!?ガァァぁぁああ!!」 「…あれ?私死んで…」 襲われたミーナは無傷で代わりに襲ってきた悪魔のエミーが胸を大剣で刺されていた。 「…何者だ、貴様!」 そこには昨日ミーナを助けた黒いローブの男が大剣を持って立っていた。 「あ、あなたは昨日の…」 「…こんな時間に活動する悪魔がいるとは…」 あの時は夜だったため顔がよく分からなかったが今はローブについてるフードを被っていて顔が見えなかった。 するとさっきまで胸を刺されてもがいてたエミーは次第に胸の傷が再生して立ち上がり、ローブの男を睨みつけた。 「殺してやる!殺して…コロシテ…ヤル!」 するとエミーの身体はさっきよりも化け物みたいな姿に変わっていった。 その姿は例えるなら悪魔というより二本足で立っている狼のようだった。 そしてエミーは一瞬で男に迫り、爪を連続で繰り出した。 しかし、ローブの男はその攻撃を息一つ切らすことなく全て大剣で防いだ。 「エグッテヤル!…エグル…エグル!!」 エミーが激しく攻撃してもローブの男にダメージを与えることはできず、これ以上やってもラチがあかないローブの男はエミーを大剣で吹き飛ばした。 吹き飛ばしたその隙に左手で空間に穴を空けて、ローブの男はその穴をくぐり抜けその場から消えた。 「…ドコダ…ドコイッタ…。出テ来イ!…エグッテヤr…ガハァ!」 突然エミーの背後から現れたローブの男は隙だらけのエミーの背後を大剣で縦に切りつけ、エミーは血を吐きながらその場に倒れてしまった。 「エミーーー!!!」 悪魔の姿になっても友達だったエミーを2度も殺される所をミーナは涙をボロボロ流しながらそれを見るしか出来なかった。 「頭の悪い悪魔はやり易い。…次はどっちだ…かかってこい。」 「てめぇ!エミーをよくもっ!」 「やめな、イルミ。仲間を殺されて悲しむなど愚かな人間のやることだ。」 今度はイルミが姿を変えようとしていたが、シェスカはそれを止める。 そしてシェスカはローブの男に質問した。 「貴様は何者だ?その魔力からして人間ではないのは確かだが悪魔でもないな。」 するとローブの男は大剣を下ろすと被っていたフードを脱ぎながら答える。 「…お前らのように人を喰らう存在がいれば、その悪魔を喰らう存在もいる。」 「悪魔を…喰らう存在?」 フードを脱ぐと男の髪と瞳は炎のように真っ赤に染まっていた。 「俺は貴様ら悪魔を食い殺すために自ら悪魔と取引し、力を手に入れた。名はない。だが周りは俺をこう呼ぶ。」 「紅の悪魔祓い、グレン。」 そう言うとグレンと名乗った男は着ていたローブを脱ぎ捨て、大剣を構えた。 「紅の…悪魔祓い…なるほど、通りでエミーを一瞬で殺せたのか。しかし悪魔祓いが本当にいるとはな。」 (しかし、悪魔祓いの奴がなぜここに?それになぜ他の生徒は助けずにミーナだけを助けるんだ?) シェスカが考えているとグレンは大剣を構えて迫ってきた。 それをイルミが爪で防御し大剣を止めた。 「いきなりシェスカはないでしょ?悪魔祓い…さん!!」 イルミは最後の語尾だけ強く言い、大剣をはじいた。 「あははは!エミーを殺したからって調子乗らないでね!今からあなたを綺麗に串刺しにしてやるから!」 するとイルミの両手の爪はゴムのように伸び縮みし、伸びた爪でグレンを襲う。 グレンはローブを脱いだのか動きが早くなり、余裕の表情で大剣を使って防ぐ。 「余裕ぶってんのも今の内よ!ほらっ!」 イルミが言うと一本の爪が大剣を滑るようにかわし、そのままグレンの腕をかすった。 他の爪も同様、次第に大剣を滑るようにかわしてかすり出す。 「ほらほらぁ~!どんどん当たってきてるわよぉ?疲れちゃったの?」 グレンはまるで軟体動物の触手みたいにグニャグニャする爪に苦戦していた。 グレンは左横に空間の穴を空けて再びイルミの背後を狙おうとした。 だが、動きを読まれていたのかイルミは伸びた爪を引っ張ってきて防ぐ。 「残ねぇ~ん!さっきの見て思ったんだけどあんた相手の背後狙うの好きだねぇ?」 イルミは伸び縮みを利用して横に爪を振りきった。 グレンはとっさに空間移動したが右腕だけ少し切り傷が入り、そこから血が流れていた。 「あらら~、痛そうね。てかさ、いい加減本気出したら?」 「…」 「とぼけないで。悪魔と取引きしたのにそんな弱いわけないでしょ?それとも本気の出し方を知らないの?」 イルミが言うとグレンは一回ため息をつき、そして。 「…いいだろう。少しだけ本気を出す。だが、これだけは言っておく…」 そしてグレンの立ってるところから黒い魔法陣が現れるとそこから黒い炎が発生し、その炎はグレンの身体を纏う。 「…どうなっても知らないからな…。」 グレンは黒炎を大剣に纏い、再び構えた。 「へー、さっきよりも魔力は上がったみたいね。けど炎じゃ私を倒せないわよ!」 イルミは爪を伸ばしてグレンを襲い、グレンはさっきと同じようにそれを大剣で防ごうとした。 「あははは!あなた学習能力ないわね!八つ裂きにされなさ…」 「イルミ!離れなさい!」 「えっ…きゃぁあああ!!」 イルミの爪は大剣に触れるとそこから黒炎が勢いよく燃え移り、イルミの身体を燃やした。 そしてグレンは空間移動を使ってイルミの近くまで移動し、黒炎を纏った大剣で縦に切りつけた。 グシャァッ!! 「ガァッ…!ガッ…」 「悪魔の炎は相手がチリになるまで燃え続ける漆黒の炎。お前が消えるまで炎は消えない。…これが悪魔と取引して手に入れた力だ。」 「ガァッ…ァ…ァ………」 イルミは次第に声が聞こえなくなり、そのまま黒炎によってチリになって消えてしまった。 「イル…ミ…うぐっ…」 イルミまで目の前で殺されてミーナは言葉が出なかった。 「最後はお前か…銀髪の女……いや、悪魔だな。」 グレンは大剣でシェスカを指す。 シェスカは黒炎によってチリとなったイルミを見ても表情を変えることはなく、寧ろ口角を吊り上げて不敵に笑った。 そして身体を化け物に変異し視線をグレンに向けて言った。 「あなた何か勘違いしてない?確かにあなたは強いわ、人間にしてはね。けどあなたは私には勝てない。そう、そんな悪魔の力を借りた程度じゃワタシニハ…カナワ…ナイ!…グルルルッ!」 シェスカは言葉を発するに連れて理性を保てずに獣のような唸り声を出していき、グレンを獲物と認識したかのように睨んだ。 そして一気に襲いかかり、右手の爪を上から思い切りグレンに振り下ろした。 グレンは空間移動の魔法で一瞬でその場からいなくなると一瞬でシェスカの背後に現れて横に斬る構えをとった。 しかし、シェスカはそれに気づいてたらしくすぐに判断して爪で大剣を防いだ。 そして剣ごとグレンを後方に押し飛ばした。 「オナジ…マホウ…キカナイ。グルルルッ…」 飛ばされたグレンは廊下の一番端の壁に背中から直撃し、血を吐いて片膝をついた。 「ガッ…ぐ…っぺっ!…」 「マ…ダ…マ…ダ…」 グレンが立ち上がろうとした直後、目の前には爪を引っ込めた状態で接近してきたシェスカは手を拳に変え、グレンを殴りまくった。 グレンは避けることができず只々その攻撃を受けていた。 …いや、この時は受けているように見えた。 容赦なく殴り続けるシェスカ。 通常、悪魔に1発でも殴られた人間は全身の骨が粉砕し再起不能の状態になるほど筋力が特化している。 グレンはその何倍も殴られた。 普通の人間ならまず生きることはできない。 ひとしきり殴ったシェスカは悪魔の姿から人間の姿に戻り、理性の失ってた声は落ち着きを取り戻した。 「まあ、こんだけ殴ったら普通死ぬわね。…さて、そろそろ食べさせてもらうわよ?ミーナ?」 ジュルリとヨダレの音を立て、爪を伸ばしてミーナに近づく。 ミーナは恐怖で怯え立ち上がることができず腰をつけたまま後ずさりしていく。 「あーらあら。人間って本当に愚かね。さっさと殺されたら楽になれるのにね。こいつみたいにさっさと楽になれば…」 シェスカが後ろにいたグレンを指差そうとした時、その指は急に捕まれそのまま関節の曲がらない方向にねじ曲げられた。 「ガァァァァ!!っ…なんで倒れてないの!?普通の人間なら死んでるはず…」 「普通の人間なら…だろ?」 シェスカの指をねじ曲げたのはまるでさっきのダメージを受けてないかのように涼しい顔をしたグレン。 ねじ曲げて取ったシェスカの指を黒炎を発生させてチリにした。 「なぜダメージを受けてないんだ…そんな顔してるな、クソ悪魔。」 「反(リバース)魔法ー、相手から受けた物理攻撃を吸収し自分の力に変換する。そして…」 拳を強く握りしめ、足を一歩前に出すとシェスカは反射的に一歩後ろに下がった。 「俺はお前と全力で戦ってない。」 そう言ってグレンは魔法を纏っていない右拳をシェスカの腹にぶち込んだ。 反魔法によってダメージを吸収したことによって魔法を纏ってないのにも関わらず拳から衝撃が発生しシェスカの腹はえぐれ内臓が飛び散る。 あまりの痛みにシェスカは意図せずに悪魔に変異してもがき苦しんだ。 「がっ…ガァァァァァァア!!!ああ…ァあ…」 悪魔か人間かどちらかわからない状態でもがき苦しむシェスカ。 そんなシェスカをグレンは一旦その辺に置いていた大剣を再び持って剣先でシェスカを指した。 「お前に人間として生きる道はない。とっとと死にやがれ」 剣を振り上げてシェスカの息の根を止めようとするグレン。 「やめてーー!!!」 剣を振り下ろそうとした瞬間、ミーナの叫び声によって剣の動きが止まる。 「邪魔するな、女。こいつは悪魔、殺さなければこっちが殺される。」 「分かってる…分かってるわよ、そんなこと!分かってる…。でも…その悪魔…シェスカは私の友達。どんな姿になっても…友達…友達だから!だから…シェスカを…助け…」 ミーナは涙を流しながらのため呼吸が下手になり、そうながらも友達を守るために必死で阻止しようと声を振り絞った。 しかし、グレンは表情を一切変えずに 「昨日の夜言ったはずだ。昨日の事、友達の事は忘れた方がいいと。それにこいつら悪魔は人間の心臓を食うことで新たな悪魔を生み出す。このシェスカも悪魔に身体を乗っ取られただけだ。残念だがこいつは殺す。」 そして剣を振り下ろし、シェスカからは悪魔特有の黒い血しぶきが飛び散った。 それを見てミーナは狂ったように発狂し、その場に崩れ落ちた。 グレンは大剣をポケットのような空間にしまい込みミーナに近づくとしゃがんで彼女の頭をさすりながら彼女の目を見て言った。 「悪魔は残酷だ。人間の心臓を奪って殺し、殺した死体に新たな悪魔を誕生させて他の人間の心臓を奪うという負の連鎖を繰り返す生物だ。…まずはこの学校を殺された死体ごと燃やさなければならない。出るぞ。」 グレンはミーナの頭を触りながら転移魔法で外に移動した。 外に転移したグレンとミーナは学校の入り口の前まで移動した。 グレンはミーナに側から離れろと言うとミーナはグレンから20メートルくらいまで離れ、離れたのを確認すると両手を入り口前の地面に置いた。 「ー黒炎よ、負の魂を焼き払えー」 グレンが魔法を唱えると学校を囲むような黒い魔法陣が発動し、学校の校舎は黒炎によって黒く燃え始めた。 その黒炎は普通の炎と違い、辺りに燃え広がることはなくその校舎の位置だけを燃やしていく。 「ギャァァァァ…」 殺された人間の何人かは悪魔になって復活したが、学校ごと燃やしたため中で悪魔の声らしきものが聞こえてきた。 グレンが学校を燃やしたのは一見残酷だが殺された人間が悪魔になって他の人たちを襲わせないためである。 燃えていく学校を見ながらグレンはミーナに言った。 「お前はこれを見て辛いか?」 「…辛い…でも、仕方ないよね。もし学校を燃やさなければ大量の悪魔ができちゃうもんね…」 「その通りだ。辛いと思うが今起きたこの現実を決して忘れるな。」 「…うん。」 ミーナの精神状態はもうまともで入れる状態ではなくグレンの言ってることをぼーっとしながら聞き流すようにコクっと頷いた。………ここは、どこだろう?気付いたらそこは真っ暗な空間にミーナはいた。「ここは…旅に出る前に見た夢の中みたい。夢の中のはずなのに夢じゃないみたいな…」そう。ここは初めてミーナが夢の中で優しい心を持つグレンと出会った場所であった。「ミーナ。」この声は?そう思ったミーナは声のする方を向いた。そこにはあの夢の中で初めて出会った黒髪のグレンが居た。「あなたは、あの時夢の中で会ったグレン?」そう質問すると、何故か黒髪のグレンは涙を流しながら言った。「…お願い…助けて欲しい。」そう言ってグレンは闇の中へと消えていく。「え、ちょっと待って!どこ行くの!…ねぇ!」ミーナは呼び止めたがグレンは何も言わずに消えていく。夢の中で走っていると何かにぶつかる様な衝撃が伝わった。「痛っ!」目の前で誰かにぶつかってしまったのか、ぶつけられた人は痛みを口にした。「…ハッ!…夢か……。」「…もぉ。夢か…じゃないわよ。何時だと思ってるの?」ミーナとぶつかったのは隣で寝ていたエミルであった。時刻は既に午前2時を過ぎており、起こされたエミルは滅茶苦茶不機嫌そうにミーナを睨みつけていた。「ご、ごめんねエミル。変な夢見てしまって…。」「もぉ……」そう言ってエミルは再び布団を被って眠りについた。「(今の夢、何だったんだろ?あの黒髪のグレンが現れたって事は、現実のグレンに何かあったんだろうか?)」「…ちょっと駄目だ…もう、眠い…。」少し考えたミーナであったが眠気には勝てなかった為、彼女もすぐに布団を被って眠りについた。ミーナ達はクレーアタウンでアスモディウスと戦ってから10日程の日が過ぎ去っていた。カイルはクレーアタウンで起きた悪魔との戦いで、カレンが悪魔サイドに居たことを西の大国イフリークの騎士団達に無線で伝えた。騎士団達の反応はそれぞれ違っていたが、全員悲しみに暮れていた。特にエバルフ。彼はカレンととても仲が良かった為、敵となったカレンを聞いて現実を受け止めきれずにいた。イフリークに残った12騎士長は5人4騎士長、ウェンディー・ソルディア5騎士長、シキ・ラインハルト6騎士長、エレンシー・ガーデン7騎士長、アレックス・マーベルそして12騎士長、エバルフ・シュロンこの5人はカイルから聞いたレミールに残った騎士長達の訃報を聞き、後日直接レミー
2人が見た通り、確かにヒスイはグロードを助けた。それは紛れもなくその場で起きた事実である。しかし、2人の記憶による事実と今こうして実際に起きたヒスイが刺された結果が矛盾している。何があったのか?それはベリエルの持つ虚無の魔眼の力が原因である。[あらゆる事象に対する再試行]これはその時に起こった場面を無かった事にし、再度その場面をやり直す事が出来る力。例えるなら、(殴られた→やり直し→殴られる前に戻る。)といった様に、実際起きた事を無かった事にし、起きる前に戻る事が出来る。言うなれば、時を巻き戻す力に近い力である。この力は虚無の魔眼を見せた相手にのみ発揮する。先程2人に虚無の魔眼を見せたのはこれを行う為であった。南の大国シルフで、カイルがハイド(ベリエル)に優勢だったがそれを一気に覆されたのも、この力が原因である。(第18話参照)そしてグロードが気がついた時にはヒスイは既にベリエルの黒い槍に突き刺されており、引き抜かれたと同時に後方へと倒れていく。「ヒスイ!!!!」ヒスイが倒れていく姿を見て叫ぶグロード。何故こうなったのか、考える余裕さえ無い。目の前で妻が刺された事に対する怒りがグロードの心を真っ赤に染め上げる。そしてグロードは空間移動でベリエルの元まで転移し、ベリエルの胸ぐらを掴む。「ぐっ!…」この時、何故かベリエルは虚無の魔眼を見せてこなかったが、この時はそんな事が気にならないくらい怒りの感情のみがグロードを突き動かしていた。怒りが爆発したグロードは胸ぐらを掴んで動けなくなったベリエルの顔面を拳で連打した。「うおおおおおお!!!!」ガスッ!ガスッ!ガスッ!ガスッ!……!何度殴っただろうか。何故か無抵抗のベリエルをグロードは怒りのままに殴り続けた。そして、右拳に魔力を込める。全属性を操れるグロードは、右拳に全属性の力を纏った。全属性とは、基本属性である8属性(火、水、風、雷、土、空間、光、闇)。これらを全て併用すると、相反する属性同士が互いを弾き合う。普通に使えば術者に影響が及ぶ危険な行為。しかしグロードは呪いにより死なない不死身の身体である為、その様なリスクが無い。無尽蔵に溢れ出る魔力を、右拳に纏った全属性の魔力へ更に加算する。魔力が増えれば弾き合う力も更に強化される。グロードはその強大すぎる力を全て、ベリ
ラウスが産まれてから5歳になった頃。未だグロードはベリエルを見つけられずにいた。その日は休日出勤で働きに出ていたヒスイの代わりに、グロードがラウスの世話をしていたのだった。「お父さん!」グロードの所まで走って近づくラウス。ラウスは髪色は母親譲りの綺麗な白銀であったが、顔はどちらかというと子供の頃のグロードに似て優しそうであった。「どうしたんだ、ラウス?」「この魔法書に書かれてるやつが分からないんだけど、教えて欲しい。」ラウスはどうやら魔法書を見ながら勉強しており、グロードは分からないところを教える為に一緒に見た。ーーこうしてると、ベリエルに勉強を教えてた頃を思い出す。一瞬ベリエルを思い出したが、すぐにその思い出を振り払った。「(いかん!ラウスはあいつとは違う!あいつはもう弟じゃ無い。憎むべき男なんだ。)」グロードは邪念を払う様にして、そう自分に言い聞かせた。「どうしたの?」「あっ…えっと、何でも無い!…ここが分からないんだな?」グロードはラウスが聞いてきた分からない部分を見て驚いた。「(…これは…高等魔法の専門書じゃ無いか。とても5歳が理解出来るレベルじゃ無いぞ。)」ラウスは魔法の理解力が異常に高く、それは紛れもなく10歳で実用性のある魔法を発明していったグロードの血筋であった。「ここはな、こうだから……。」噛み砕いて教えたつもりだがどうしても難しい専門用語を使う為、高校生でも理解が困難なレベルであった。しかし、ラウスは。「ありがとう!それだけ分からなかっただけだから!」 そう言ってラウスは専門書を持って部屋に戻って行った。ーーあの難解な本の一部分が分からなかっただけ?「…凄いな。流石は、俺の息子だな。」5歳にしては凄まじい魔法の才能を発揮するラウスに驚いていたが、自分の息子がこれ程の才能を持っている事に対して誇らしくなった。それから7歳になって少し身体が大きくなったラウスは体術の面でも凄まじい才能を発揮していた。「やああ!!」ラウスは殴る時に上記の様な子供っぽい掛け声を出すものの、それまでの動きが凄かった。グロードは手加減してるものの、まるで次に動き出す足の動きが見えているかの様にラウスは予測していた。その様子をヒスイはちゃんと見ていた。その夜、ラウスが寝静まった時にヒスイから話があった。「あの子、
月の遺跡から現れた古の化け物達が世界中を暴れ回った事により、多数の他国の人が亡くなったこの事件は世界中で瞬く間に広がった。現去流時(げざると)で生き返るのは、同じ種族の人間のみ。つまり、月の民が生き返った事により他国の人間は殺されて亡くなったままであった。これにより、今回の首謀者は今まで古の化け物達を野放しにし続けてきた月の民の責任だと言われ、これが更に月の民達への差別が助長される要因となった。この差別は風化される事が無く、時間と共に他国からの恨みばかりが募っていった。一方、古の化け物達を倒し世界の人々を救ったと持ち上げられたグロード。彼は世界の英雄として一躍有名人となった。沢山の人に賞賛され、感謝される日々。中にはグロードが古の化け物達を倒した事を記す為、絵物語を書きたいと懇願してきた絵師も居た。ーーもう、好きにしてくれ。投げやりに全てを受け入れるグロードは、ほとぼりが覚めるまで、人々の"英雄ごっこ"に付き合った。そして50年が経った頃には彼の事を知る者が死に去っていき、その頃にはもうグロードの事を英雄と呼ぶ者は居なくなっていた。50年も経てば時代の流れもそうだが、人々の価値観や文化も大きく変わっていく。しかし、変わらないものもあった。1つは月の民の差別。これはいつまで経っても、古の化け物達が世界中を暴れ回り、その生まれ変わりが現在の月の民だと後世に語り継がれていた。その為、実際古の化け物達が暴れた所を見た事がない後世の人々も、月の民が恐ろしい存在であるという価値観だけ植え付けられていた。そしてもう1つ変わらない事がある。これは50年経つ前から感じていた事だ。歳を取っていない。グロードは40歳の姿から変化が見られ無かったのだ。何故変化が無いのか?それはベリエルが掛けた呪いのせいであった。ベリエルはリオ王国の人達を超月食の日に自身の生命エネルギーに変換させ、それによってベリエルは不老不死となった。そんなベリエルに掛けられた呪いにはある条件があった。「この呪いは、術者が死ぬまで継続されるものである。」つまり、これはベリエルが死ぬまで呪いが解けないという事だ。不老不死になったベリエルは死なない為、呪いを掛けられたグロードとアガレフも必然的に不老不死となってしまった。これが、2人が400年間死ぬ事なく生き続けてきた理
それからもグロード、アガレフ、ベリエルは共にリオ王国で平和な日々を過ごしていった。グロードはあれから魔法の鍛錬を積んでいったが、時々月の遺跡へ出向いてアマルとサマスに修行を付けてもらう事が増えた。アガレフもグロードと一緒に月の遺跡へ出向き、修行を付けてもらっていたが彼には既に沢山の弟子が居た為、都合が合わない日が多かった。そしてベリエル。彼はこの頃になると部屋に閉じ篭もる事が増えた。理由は分からないが、何を聞いても調べ物をしてるだけだと言い、詳しい事はグロードとアガレフに教えようとしなかった。一度気になったグロードとアガレフはベリエルの部屋に行ってみた。扉の前でアガレフがグロードに言った。「ベリエルの奴、朝から部屋でずっと何かしてるみたいなんだが…どうも様子が変なんだ。」「ああ。確かに変だ。ベリエルがこの部屋に閉じ篭もってる間、一切の魔力を感じないからだ。」異変に気付いたのはグロードも同じであった。魔力を感じない。というよりも、まるでそこにベリエルが存在していない様に感じられた。気になったグロードはベリエルの部屋の扉をコンコンとノックした。数秒待っても反応は無く、静かなままであった。「…やはり様子が変だ。扉を開けるか?」「待て、アガレフ。流石に勝手に入るのは…。」すると目の前の扉がギィィッとゆっくり開く音が聞こえてくる。中からは相変わらずクマが酷いもののいつもの変わりない表情と姿、そして魔力のベリエルが出てきた。「…どうしたの、兄さん達?」何故か扉の前にグロードとアガレフが居た為、キョトンとした表情で2人を見ていたベリエル。「…いや、…何でもない。ずっと部屋に閉じ籠ってるから心配になってな。」「そ、そうだ。偶には、外に出て身体を動かしたらどうだ?」さっきまで魔力が感じられなかったベリエルはまるでそこに居ない様な気配であったが、突然その場に現れた様な気配に2人は驚く。しかし、一先ずベリエルに変わりがない事を確認して2人は安心した。「……んー、確かにそうだね。偶には身体を動かさないとね。…明日、久し振りに兄さん達に稽古を付けてもらおっかな!」グロードとアガレフにそう言われて頭を傾げ、少し考える様な間が気になるがすぐに笑顔になった。それを聞いたグロードとアガレフもベリエルに釣られて笑顔になった。「ああ。勿論だ。」「
そして次の日の朝。グロードとアガレフは月の遺跡へ向かう準備をしており、王宮の外には2人を見送る為に沢山の国民達が集まっていた。2人はリオ王国内では沢山の任務を受けていたが、国外に出て何かをするのは初めてであった。更にリオ王国内では英雄の様な存在である2人は皆んなの憧れであり、国民達全員から愛される存在であった。「グロード様!アガレフ様!お気を付けて!」「ああ。行って来る。」王宮の兵士に言われたグロードとアガレフは一礼し、王宮を出た。王宮を出た途端、国民達による大きな歓声が飛び交った。「お二人共ー!どうか無事に帰って下さい!」「月の遺跡の化け物なんかに負けないで!」「グロード様とアガレフ様が組めば敵なんて居ないさ!」「そうさ!何たってリオ王国最強の魔導士だぜ!化け物なんて全部倒してくれる筈さ!」「頑張れー!!」向けられる歓声に対し、それに応える様に2人は国民達に手を挙げて振った。リオ3世とベリエルはその場に居なかったが、王宮のベランダから2人が歩いて出て行く姿を見ていた。「ベリエル。お前もいつかきっとあいつらみたいになれる筈だ。」「…はい。僕も兄さん達に追いつける様に努力します。」リオ3世は2人の姿を見つめながらベリエルに向けてそう言った。ベリエルはそれに対し表情を変える事なく、リオ3世と同じ様に2人を見つめながらそう答えた。何を思っているのか分からない程、表情が全然変化しないベリエル。グロード達と暮らしていく内に嬉しかった時の表情だけは作れる様になったベリエル。だが、大きくなってもそれ以外の感情による表情は作れない様だった。その表情の裏に潜む感情を読み取る事は誰にも出来なかった。数週間後、グロードとアガレフはようやく月の遺跡の近くに着いた。月の遺跡の周りは乾燥地帯である。現在はティラーデザートと呼ばれる砂漠地帯となっているが、それでも当時は所々に草木が生えていた。しかし月の遺跡に近づけば近づく程、乾燥が酷く草木もあまり生えていなかった。そしてようやく月の遺跡には着いた。月の形をした石像が上に飾られた神殿が遺跡の中央に建てられ、その周りには[月の民]と呼ばれる民族が住む石造の家が多数建てられている。化け物が居ると聞いていた為、酷く荒らされているイメージを持っていた2人であるが、見た感じその様な形跡は見られない
その頃、カイルとエミルは別々の場所で悪魔の大群を相手にしていた。カイルは目の前から襲ってくる悪魔を見た。「目の前にはおよそ100体か。いや、この周囲の魔力を探ればそれ以上…」「面倒だ。纏めて一気にぶった斬る!」カイルは自身の影を直径10kmの範囲まで広げた。この3日間、魔力の流れを読む訓練をしていた為か、カイルの魔力操作の練度はかなり向上している。本来10kmまで影を広げてしまうと剣を振るっても影の端に居る敵に与えられる威力はかなり落ちてしまう。しかし魔力の流れを読める様になった今、カイルは見なくても相手の位置は勿論、身体の部位が隅々まで分かるレベルまで察知出来る様になっていた
これは愛を知らずに育ってきた男の話。彼はこれまでの人生の中で物心ついた頃から愛という物に触れる事なく生きてきた。ネル・ナイトフォース。彼は5歳まで北の大国の中心都市部にある貴族の家で奴隷として過ごしてきた。物心付く前から奴隷として仕えていたが、そこでは人権というものが存在しなかった。「おい、ゴミ!さっさとこの食器片付けろよ!」その屋敷の主である中年男は仕える奴隷に向けて済んだ食器を片付ける様に命令した。「…はい。」命令を受けて出てきたのは当時4歳のネル・ナイトフォースだった。彼は肌着同然の薄い半袖の服にヨレヨレのズボンを履いていた見窄(みすぼ)らしい少年だった。身体を洗わせ
アガレフは家の前で見送ってくれるリーナと、彼女に抱き抱えられているミーナの方を見た。 あの赤ん坊の頃に比べると少し大きくなったミーナ。金髪で青い瞳に綺麗な顔立ちが、どことなく母親であるリーナに似てきた気がした。 「じゃあ、行ってくる。」 「…うん。ずっと、待ってるからね。」 そう言ってアガレフとリーナは最後の口付けをした。 そして最後にミーナの方を見た。 「おとー。おとー。」 手を伸ばしながらお父さんと呼ぼうとしてるミーナ。その純粋無垢な瞳には、今日を最後に会えなくなるなんて微塵も思っていないのが分かる。 アガレフはミーナの額に手を当て、撫でながら言った。 「ミーナ。これか
「皆さん、落ち着いて下さい!こっちへ避難して下さい!」巡回してたカレンは突然の悪魔襲撃に混乱してるレミールの国民達を悪魔が少なそうな場所へ誘導し、前方から襲って来る悪魔を返り討ちにしていた。しかし、地上へ繋がる道はアスモディウス達が通ってきた場所しかこの国には無い為、国民達は結局逃げ道から遠ざかっていくだけだった。カレンは只ひたすら、逃げ道の方から現れる悪魔達を斬り倒していた。「(何で悪魔がこんなにも湧いて出て来るの!?国の入り口で待機してたザジさんは?もしかしてやられたの?)」そんな事を思いながらカレンは剣を振り続けた。一方、他の場所でも騎士長達は悪魔達と交戦していた。「悪魔







