登入この世界には悪魔がいました。
悪魔は夜にしか活動出来ないが生まれつき力が強く、人の心臓または目を好んで毎晩人を襲いました。 そんなある日1人の男が悪魔をこらしめました。 その男はこの国の王子様…否 この世で一番、悪魔に近くそして心無い男だった。 「…!はぁ…はぁ……何、今の夢。」 確か小さい頃読んでた絵本の内容だったけどすごく怖かったような… 「おはよぅ…」 「おはようミーナ。もう体大丈夫なの?」 「体?そういえば私、気絶してしまったんだね。全然覚えてないな」 昨日玄関前で気絶してからミーナの母親はミーナを家の中まで運びベットに寝かせたのだった。 一度目を覚ましたが疲れがたまっていたのかすぐに寝てしまったらしい。 ミーナは朝起きてから学校に行く準備をし、朝ごはんを食べ家を出た。 「行ってきます…」 「行ってらっしゃい。…どうしたのミーナ?元気ないわよ?」 「そ、そんなことないよ!じゃ、行ってきまーす!」 ミーナは昨日殺された友達は絶対来ないものだと思うと不安で仕方なかった。 まだ17歳のミーナには辛くそして悲しい現実だった。 学校に着いてクラスに行っても案の定友達の席には誰も座っていない。 やっぱりあの時… キーンコーンカーンコーン 「はーい、じゃあ席につきなさーい」 私がカバンから教科書を机に移してるとタイミングよくチャイムがなりそれと同時に担任の先生が入ってくる。 「はい、それでは朝のホームルームから始めたいと思うのですが…その前に皆さんに大切な話があります。」 すると先生の顔がいかにも深刻そうな顔に変わった。 きっと友達の事だろうなぁ。 「…実は今日3人ほど学校に来ていませんが昨夜その親御さんから行方不明の連絡がありました。」 やっぱりシェスカ達の事だったんだ… ミーナはそう思うととても心が痛かった。 別にミーナが悪いわけではないが自分だけが生き延びて学校に来てるのはおかしいと思ったからです。 「確かシェスカさん達はミーナとよく一緒にいましたが…何か心当たりはありますか?」 「……」 「ミーナ…さん?」 「実は…シェスカ達は…」 ガラッ ミーナが言おうとした時、急に教室の扉が開いた。 扉を開けた人物にミーナは目を疑った。 それは昨日目の前で殺されたはずの… 「…!シェスカ!エミー!イルミ!…え、どうして…」 「ごめんね、ミーナ。ちょっと寝坊しちゃった。」 「先生ごめんなさーい!」 「とりあえず遅刻届出したんで座っても大丈夫ですかー?」 「全く三人とも…後で職員室まで来なさいよ!」 「「「はーーい!」」」 そう言って三人は自分たちの席に座りカバンの中から教科書類を移し始めた。 ミーナは三人が生きていた事に嬉しくて泣いていた。 良かった…本当に良かった…。あの時死んだと思ってた…。 「はい、ミーナさん!何があったのか分かりませんが泣かないの! はい、ホームルームを始めるわよ!」 そう言って先生は5分ほどホームルームをして教室を出た。 ミーナは早く三人と喋りたくて終わってすぐに三人の机の近くまで来た。 「よかったぁー!三人とも無事で。シェスカ胸大丈夫なの?」 「え…ま、まぁ何とか大丈夫だったみたい。」 「エミーもイルミも大丈夫?」 「わ、私はほら。そんなすぐ死ぬ奴じゃないでしょ?あははは」 「運が良かったっていうか…何ていうんだろ?…まあそんな事いいじゃない!」 「なんかみんなよそよそしぃ!ねえねえ、今日もいつものとこに遊びにいこーよ!」 「遊ぶ?…あー、いつものとこね!分かったわ!」 「やったぁー!あ、その前にちょっと私トイレ行ってくるー!」 ミーナがトイレに行くと同時にチャイムがなり、ミーナはヤバイと言いながら走ってトイレに行った。 チャイムがなったことでクラスの生徒達がミーナ以外全員戻ってきた。 そして最初の授業の先生が入ってきて主席名簿を取り出した。 「ミーナはトイレか。しょうがない…。じゃああいつ抜きで出席確認をするから返事しろよ。」 先生はそれぞれの名前を読み始め、名前を呼ばれた生徒はそれに対して返事をする。 「……ニヤァ…」 「…そろそろだな。」 「お腹すいたぁー…」 授業が始まってからすぐに、シェスカとエミーとイルミが急に席を立ったので生徒達と先生は三人に注目した。 「おい、お前ら何立ってんだ!早く座らんか!」 「……」 「……」 「…ニヤァ」 嬉しい。 あの三人が生きて学校に戻ってきてくれて本当に良かった。 これでまたいつものように楽しく学校で… ミーナはお手洗いを済ませて手を洗い鼻歌を歌いながら教室に戻った。 教室につくと授業中のはずなのにドアが開いてた。 あれ?なんで開いてるんだろ? …まっ、いっか! 「先生!遅れてすいませんでし…」 「きゃぁぁあ!!!」 そこにはミーナがトイレに行ってた3分くらいの間人の血で染まっていた。 「みんな…みんな!何があったの!ねぇ?…先生!」 みんなに声をかけるが誰1人返事を返さない。 生徒達のほとんどは体の原型をとどめられないくらい八つ裂きにされていて、先生に関しては目と心臓部分を抜き取られていた。 「目と心臓が…ない……うっ…ハァ、ハァ…」 先生の死体を見てミーナは思い出した。 こんな殺し方普通の人間には出来ない。それにシェスカ達だけいないみたい。これは… ピーンポーンパーンポーン すると突然学校のアナウンスがなった。 「全校生徒の皆さんに伝えます! 今すぐ学校から逃げてくださ…グシャ!」 アナウンスの人は言い終わる直前に何かあったようだ。 するとこの階の端から叫び声が聞こえる。 「きゃぁぁ!」「助けてー!」 グシャァ!!! 「ひっ…ひっ…」 ミーナは今度は自分の番だと思い、学校の外を目指して走った。 (殺される!逃げなきゃ殺される!) 「どこ行くの?ミーナ?」 するとその前にはさっき教室にいなかったシェスカが手を後ろに組んで立っていた。 「…シェスカ……」 「どこ行くのミーナ?」 シェスカは腕を後ろに組んだまま笑顔でこっちに近づいてくる。 まるで腕を隠しているようだった。 「どうしたの、ミーナ?なんでそんなに汗かいてるの?」 「…あなた、誰?」 「え、シェスカよ?急にどうしたの?」 「違う!あなた…いや、他の二人も…あなた達一体、何者なの?」 「……」 「答えて!本物のシェスカは…エミーやイルミはどこ行ったの!?ねぇ!」 ミーナの問に答えようとしないシェスカ。 するとシェスカの後ろから声が聞こえた。 「あー、おいしかった…ジュルッ…」 「お腹もだいぶ落ち着いたって感じ♪」 「エミー!イルミ!…その手はもしかして…」 後ろから現れたエミーとイルミの手は人の血で真っ赤になっていて、エミーは血の付いた手をおいしそうに舐めていた。 「あれ、あんなところに餌(人間)が残ってるー!」 「ほんとだ!シェスカ、食べてもいいよね?」 するとさっきまで黙っていたシェスカはニヤリと笑い、そして。 「…あぁ、いいでしょう…。血の一滴残さずにね。」 「シェスカ…エミー…イルミ…。やっぱりあなた達…」 「悪いわね、ミーナ。私たちはもう人ではないの。だから正直あなたの事なんてどうでもいいから…死んで?」 「うっ…うっ…」 ミーナは絶望のあまりその場に立ち崩れてしまった。 まさか自分の友達が悪魔になってしかも学校の人たちを殺しているのだから。 (悪魔は…死んだ人間にまで絶望を与えるの?…シェスカ達がそんな事思うわけない。) 「あははは!安心して!私が食べてあげるからぁ~!!」 エミーが最後に言うとエミーの体が昨日の化け物のような姿に変わりミーナを襲った。 グシャァァ!! 「!?ガァァぁぁああ!!」 「…あれ?私死んで…」 襲われたミーナは無傷で代わりに襲ってきた悪魔のエミーが胸を大剣で刺されていた。 「…何者だ、貴様!」 そこには昨日ミーナを助けた黒いローブの男が大剣を持って立っていた。 「あ、あなたは昨日の…」 「…こんな時間に活動する悪魔がいるとは…」 あの時は夜だったため顔がよく分からなかったが今はローブについてるフードを被っていて顔が見えなかった。 するとさっきまで胸を刺されてもがいてたエミーは次第に胸の傷が再生して立ち上がり、ローブの男を睨みつけた。 「殺してやる!殺して…コロシテ…ヤル!」 するとエミーの身体はさっきよりも化け物みたいな姿に変わっていった。 その姿は例えるなら悪魔というより二本足で立っている狼のようだった。 そしてエミーは一瞬で男に迫り、爪を連続で繰り出した。 しかし、ローブの男はその攻撃を息一つ切らすことなく全て大剣で防いだ。 「エグッテヤル!…エグル…エグル!!」 エミーが激しく攻撃してもローブの男にダメージを与えることはできず、これ以上やってもラチがあかないローブの男はエミーを大剣で吹き飛ばした。 吹き飛ばしたその隙に左手で空間に穴を空けて、ローブの男はその穴をくぐり抜けその場から消えた。 「…ドコダ…ドコイッタ…。出テ来イ!…エグッテヤr…ガハァ!」 突然エミーの背後から現れたローブの男は隙だらけのエミーの背後を大剣で縦に切りつけ、エミーは血を吐きながらその場に倒れてしまった。 「エミーーー!!!」 悪魔の姿になっても友達だったエミーを2度も殺される所をミーナは涙をボロボロ流しながらそれを見るしか出来なかった。 「頭の悪い悪魔はやり易い。…次はどっちだ…かかってこい。」 「てめぇ!エミーをよくもっ!」 「やめな、イルミ。仲間を殺されて悲しむなど愚かな人間のやることだ。」 今度はイルミが姿を変えようとしていたが、シェスカはそれを止める。 そしてシェスカはローブの男に質問した。 「貴様は何者だ?その魔力からして人間ではないのは確かだが悪魔でもないな。」 するとローブの男は大剣を下ろすと被っていたフードを脱ぎながら答える。 「…お前らのように人を喰らう存在がいれば、その悪魔を喰らう存在もいる。」 「悪魔を…喰らう存在?」 フードを脱ぐと男の髪と瞳は炎のように真っ赤に染まっていた。 「俺は貴様ら悪魔を食い殺すために自ら悪魔と取引し、力を手に入れた。名はない。だが周りは俺をこう呼ぶ。」 「紅の悪魔祓い、グレン。」 そう言うとグレンと名乗った男は着ていたローブを脱ぎ捨て、大剣を構えた。 「紅の…悪魔祓い…なるほど、通りでエミーを一瞬で殺せたのか。しかし悪魔祓いが本当にいるとはな。」 (しかし、悪魔祓いの奴がなぜここに?それになぜ他の生徒は助けずにミーナだけを助けるんだ?) シェスカが考えているとグレンは大剣を構えて迫ってきた。 それをイルミが爪で防御し大剣を止めた。 「いきなりシェスカはないでしょ?悪魔祓い…さん!!」 イルミは最後の語尾だけ強く言い、大剣をはじいた。 「あははは!エミーを殺したからって調子乗らないでね!今からあなたを綺麗に串刺しにしてやるから!」 するとイルミの両手の爪はゴムのように伸び縮みし、伸びた爪でグレンを襲う。 グレンはローブを脱いだのか動きが早くなり、余裕の表情で大剣を使って防ぐ。 「余裕ぶってんのも今の内よ!ほらっ!」 イルミが言うと一本の爪が大剣を滑るようにかわし、そのままグレンの腕をかすった。 他の爪も同様、次第に大剣を滑るようにかわしてかすり出す。 「ほらほらぁ~!どんどん当たってきてるわよぉ?疲れちゃったの?」 グレンはまるで軟体動物の触手みたいにグニャグニャする爪に苦戦していた。 グレンは左横に空間の穴を空けて再びイルミの背後を狙おうとした。 だが、動きを読まれていたのかイルミは伸びた爪を引っ張ってきて防ぐ。 「残ねぇ~ん!さっきの見て思ったんだけどあんた相手の背後狙うの好きだねぇ?」 イルミは伸び縮みを利用して横に爪を振りきった。 グレンはとっさに空間移動したが右腕だけ少し切り傷が入り、そこから血が流れていた。 「あらら~、痛そうね。てかさ、いい加減本気出したら?」 「…」 「とぼけないで。悪魔と取引きしたのにそんな弱いわけないでしょ?それとも本気の出し方を知らないの?」 イルミが言うとグレンは一回ため息をつき、そして。 「…いいだろう。少しだけ本気を出す。だが、これだけは言っておく…」 そしてグレンの立ってるところから黒い魔法陣が現れるとそこから黒い炎が発生し、その炎はグレンの身体を纏う。 「…どうなっても知らないからな…。」 グレンは黒炎を大剣に纏い、再び構えた。 「へー、さっきよりも魔力は上がったみたいね。けど炎じゃ私を倒せないわよ!」 イルミは爪を伸ばしてグレンを襲い、グレンはさっきと同じようにそれを大剣で防ごうとした。 「あははは!あなた学習能力ないわね!八つ裂きにされなさ…」 「イルミ!離れなさい!」 「えっ…きゃぁあああ!!」 イルミの爪は大剣に触れるとそこから黒炎が勢いよく燃え移り、イルミの身体を燃やした。 そしてグレンは空間移動を使ってイルミの近くまで移動し、黒炎を纏った大剣で縦に切りつけた。 グシャァッ!! 「ガァッ…!ガッ…」 「悪魔の炎は相手がチリになるまで燃え続ける漆黒の炎。お前が消えるまで炎は消えない。…これが悪魔と取引して手に入れた力だ。」 「ガァッ…ァ…ァ………」 イルミは次第に声が聞こえなくなり、そのまま黒炎によってチリになって消えてしまった。 「イル…ミ…うぐっ…」 イルミまで目の前で殺されてミーナは言葉が出なかった。 「最後はお前か…銀髪の女……いや、悪魔だな。」 グレンは大剣でシェスカを指す。 シェスカは黒炎によってチリとなったイルミを見ても表情を変えることはなく、寧ろ口角を吊り上げて不敵に笑った。 そして身体を化け物に変異し視線をグレンに向けて言った。 「あなた何か勘違いしてない?確かにあなたは強いわ、人間にしてはね。けどあなたは私には勝てない。そう、そんな悪魔の力を借りた程度じゃワタシニハ…カナワ…ナイ!…グルルルッ!」 シェスカは言葉を発するに連れて理性を保てずに獣のような唸り声を出していき、グレンを獲物と認識したかのように睨んだ。 そして一気に襲いかかり、右手の爪を上から思い切りグレンに振り下ろした。 グレンは空間移動の魔法で一瞬でその場からいなくなると一瞬でシェスカの背後に現れて横に斬る構えをとった。 しかし、シェスカはそれに気づいてたらしくすぐに判断して爪で大剣を防いだ。 そして剣ごとグレンを後方に押し飛ばした。 「オナジ…マホウ…キカナイ。グルルルッ…」 飛ばされたグレンは廊下の一番端の壁に背中から直撃し、血を吐いて片膝をついた。 「ガッ…ぐ…っぺっ!…」 「マ…ダ…マ…ダ…」 グレンが立ち上がろうとした直後、目の前には爪を引っ込めた状態で接近してきたシェスカは手を拳に変え、グレンを殴りまくった。 グレンは避けることができず只々その攻撃を受けていた。 …いや、この時は受けているように見えた。 容赦なく殴り続けるシェスカ。 通常、悪魔に1発でも殴られた人間は全身の骨が粉砕し再起不能の状態になるほど筋力が特化している。 グレンはその何倍も殴られた。 普通の人間ならまず生きることはできない。 ひとしきり殴ったシェスカは悪魔の姿から人間の姿に戻り、理性の失ってた声は落ち着きを取り戻した。 「まあ、こんだけ殴ったら普通死ぬわね。…さて、そろそろ食べさせてもらうわよ?ミーナ?」 ジュルリとヨダレの音を立て、爪を伸ばしてミーナに近づく。 ミーナは恐怖で怯え立ち上がることができず腰をつけたまま後ずさりしていく。 「あーらあら。人間って本当に愚かね。さっさと殺されたら楽になれるのにね。こいつみたいにさっさと楽になれば…」 シェスカが後ろにいたグレンを指差そうとした時、その指は急に捕まれそのまま関節の曲がらない方向にねじ曲げられた。 「ガァァァァ!!っ…なんで倒れてないの!?普通の人間なら死んでるはず…」 「普通の人間なら…だろ?」 シェスカの指をねじ曲げたのはまるでさっきのダメージを受けてないかのように涼しい顔をしたグレン。 ねじ曲げて取ったシェスカの指を黒炎を発生させてチリにした。 「なぜダメージを受けてないんだ…そんな顔してるな、クソ悪魔。」 「反(リバース)魔法ー、相手から受けた物理攻撃を吸収し自分の力に変換する。そして…」 拳を強く握りしめ、足を一歩前に出すとシェスカは反射的に一歩後ろに下がった。 「俺はお前と全力で戦ってない。」 そう言ってグレンは魔法を纏っていない右拳をシェスカの腹にぶち込んだ。 反魔法によってダメージを吸収したことによって魔法を纏ってないのにも関わらず拳から衝撃が発生しシェスカの腹はえぐれ内臓が飛び散る。 あまりの痛みにシェスカは意図せずに悪魔に変異してもがき苦しんだ。 「がっ…ガァァァァァァア!!!ああ…ァあ…」 悪魔か人間かどちらかわからない状態でもがき苦しむシェスカ。 そんなシェスカをグレンは一旦その辺に置いていた大剣を再び持って剣先でシェスカを指した。 「お前に人間として生きる道はない。とっとと死にやがれ」 剣を振り上げてシェスカの息の根を止めようとするグレン。 「やめてーー!!!」 剣を振り下ろそうとした瞬間、ミーナの叫び声によって剣の動きが止まる。 「邪魔するな、女。こいつは悪魔、殺さなければこっちが殺される。」 「分かってる…分かってるわよ、そんなこと!分かってる…。でも…その悪魔…シェスカは私の友達。どんな姿になっても…友達…友達だから!だから…シェスカを…助け…」 ミーナは涙を流しながらのため呼吸が下手になり、そうながらも友達を守るために必死で阻止しようと声を振り絞った。 しかし、グレンは表情を一切変えずに 「昨日の夜言ったはずだ。昨日の事、友達の事は忘れた方がいいと。それにこいつら悪魔は人間の心臓を食うことで新たな悪魔を生み出す。このシェスカも悪魔に身体を乗っ取られただけだ。残念だがこいつは殺す。」 そして剣を振り下ろし、シェスカからは悪魔特有の黒い血しぶきが飛び散った。 それを見てミーナは狂ったように発狂し、その場に崩れ落ちた。 グレンは大剣をポケットのような空間にしまい込みミーナに近づくとしゃがんで彼女の頭をさすりながら彼女の目を見て言った。 「悪魔は残酷だ。人間の心臓を奪って殺し、殺した死体に新たな悪魔を誕生させて他の人間の心臓を奪うという負の連鎖を繰り返す生物だ。…まずはこの学校を殺された死体ごと燃やさなければならない。出るぞ。」 グレンはミーナの頭を触りながら転移魔法で外に移動した。 外に転移したグレンとミーナは学校の入り口の前まで移動した。 グレンはミーナに側から離れろと言うとミーナはグレンから20メートルくらいまで離れ、離れたのを確認すると両手を入り口前の地面に置いた。 「ー黒炎よ、負の魂を焼き払えー」 グレンが魔法を唱えると学校を囲むような黒い魔法陣が発動し、学校の校舎は黒炎によって黒く燃え始めた。 その黒炎は普通の炎と違い、辺りに燃え広がることはなくその校舎の位置だけを燃やしていく。 「ギャァァァァ…」 殺された人間の何人かは悪魔になって復活したが、学校ごと燃やしたため中で悪魔の声らしきものが聞こえてきた。 グレンが学校を燃やしたのは一見残酷だが殺された人間が悪魔になって他の人たちを襲わせないためである。 燃えていく学校を見ながらグレンはミーナに言った。 「お前はこれを見て辛いか?」 「…辛い…でも、仕方ないよね。もし学校を燃やさなければ大量の悪魔ができちゃうもんね…」 「その通りだ。辛いと思うが今起きたこの現実を決して忘れるな。」 「…うん。」 ミーナの精神状態はもうまともで入れる状態ではなくグレンの言ってることをぼーっとしながら聞き流すようにコクっと頷いた。その後、城は今回の魔導兵器との戦いで侍達が寝泊まりする事になる。その為、グレン達は一旦戦争の被害を受けていないカイルの自宅へと移動した。人数は多いが、グロードとグレン、ネルと空間移動出来る者が3人も居た為、特に問題なく転移出来た。初めてカイルの家に来たグレンは一言。「…デカいな。」「反応薄っ!」グレンのあまりにも薄いリアクションに思わずライクが突っ込みを入れた。「ライクは初めてカイルの家に来た時、ずっと圧倒されてたもんね。」「されてねえよ!てか一々そんな事言わなくて良いんだよニケル!」2人はいつもの言い合いをしてるとグレンがボソリと。「家はデカいのにな…。」その言葉に今度はカイルが聞き逃さなかった。「家は?デカいのに…何だよ?」カイルはグレンに詰め寄るも、身長差がある為グレンの顔を見上げながら言った。額には青筋が浮かんでいる。「…いや、何でもねえ。」「あるだろ!どうせ家はデカいけど俺は小さいとか思ってんだろ!?」「…言ってねえ。」「言ってる様なもんだ!それは!」低身長がコンプレックスのカイルは、身長に関する事を言われると過剰に反応してしまう。頭を掻きながら「めんどくせぇ。」と心の中で思うグレン。そんな中、更に火に油を注ぐ発言をする者が居た。「あ、やっぱりカイルはチビで合ってたんだ。僕だけがそう思ってたのかと思ったよ。」ネルは悪気なくチビ発言をしてしまい、その場に居る全員が思わず「あっ」と発してしまう。カイルの前では絶対に言わないと必死に我慢していたのが、ネルが言ったせいで思わず出てしまった声に本人は感じてしまう。「合ってたとか言わなくて良いんだよネル!皆んなそうやって俺の事チビって馬鹿にするんだ!もう家に入れてやんねえからな!」全員からチビ認定された事に悲しみアピールをするカイルをエミルとミーナが慰めていた。「ほら、泣かないの。」エミルがカイルの背中を撫でながら慰める中、ミーナも同様に慰めようとするのだが。「カイル君はちっちゃくても…大っきいよ、懐が!」以前エミルの服を全額払ったカイルの懐の大きさだけを褒めるミーナ。(第30話参照)最早言わない方が良いレベルのフォローに更に落胆するカイルであった。「入るならさっさと家に案内してくれ。全員疲れてるだろ?」事の発端を作った張本人のグレンは落ち込むカイルを
ライクとニケルは城の裏側にある人気の無い場所へと移動した。 後ろから尾行していたロゼアは壁に隠れながら、ライクとニケルが話をしているのを覗き込んでいた。 …側から見れば只のストーカーにしか見えない。 壁の向こうではライクから先に声を掛けていた。 「で?どうしたんだよ。さっきも、お前一言も喋らなかったし。」 先程の会話でも、ニケルは浮かない顔をしながらグレンやグロードの話を聞いていた。 その理由は。 「…僕達とグロードさんの関係って、これからどうなるのかなと思って。」 「グロードとの関係?」 何を言ってるのか分からないライクだが、ニケルはそのまま説明を続けた。 「大恩あるグロードさんの事を、僕はずっと亡くした父親の様に思ってた。本当の父親じゃ無い事は分かってる。だけど、まるで親子みたいな今の関係性が僕は好きだったんだ。」 「けど、生き別れた本当の息子であるグレンが戻って来たら、もうそんな関係には戻れないのかなって…。」 ニケルの悩み。それは本当の息子であるグレンが戻ってきた以上、自分達はグロードの息子の代わりにはなれないという事である。 また今までの関係性も変わってしまい、もうグロードに相手にされないのでは無いかという不安もあった。 「勿論、グレンと再会出来た事は僕も嬉しいけど。…やっぱり良いな。本当の親が生きてるのって。」 月の民殲滅戦で両親を亡くしてるライクとニケル。特にニケルは子供の頃は甘えん坊であった為、親への未練はライクよりも強い。 親の居ない2人にとってグロードは父親同然。しかし、本当の父親になる事は出来ない。 そう思うとニケルは、少し寂しく感じていた。 それに対してライクは。 「ニケル…お前の言う様に、あいつは俺達の父親じゃねえし、俺達があいつの息子代わりになる事も出来ねえ。」 「……」 「でもよぉ、俺達とグロードとの関係性は何も変わらないと思うぜ。」 「…え?」 落ち込み俯いてたニケルはライクの顔を見た。 「俺もあいつの事は父親みたいに思ってたけど、どっちかと言えば師匠に近い感じだな。それに、あいつは面倒見が良くて、いつも丁寧に俺達の修行に付き合ってくれた。」 「優しい奴だからさ、例え息子が居ようと俺達との師弟関係まで変わる事はねえよ。」 「ライク…
魔導兵器ラウスを倒した事と、北の軍事兵器もグロードが破壊した事により、北の大国が今後攻撃してくる事は無いだろう。北の大国は多くの軍人と軍事兵器を失った事により、いずれ国の財政が崩れ破綻に追い込まれる事となる。戦う力を失った北の大国ウンディーネは結果的に敗戦国となり、これにより東北魔導大戦は事実上終結する事になる。しかし東の大国も無傷という訳にはいかず、今回の魔導兵器ラウスとの戦闘によって沢山の死傷者が出ていた。それだけではない。東の大国の主戦力が戦っている間、手薄になった城内にて更なる事件が起こってしまう。ノーム王の暗殺。戦いが終わった後、城内へ行くとそこは戦場と同じくらい凄惨な状況となっていた。医療班の人も殆どが殺されており、警備の者達に関しては、肉体が残っていれば運が良かったと思えるくらいバラバラに殺されていた。一体誰が実行したのかは不明。しかし、こんな事をするのは1人しか居ないとグロードは気付いていた。「…ベリエル!」見たところ胸部を刺殺(しさつ)されて殺されている様に見えるが、医療知識が豊富なグロードはノーム王の身体を少し触れただけで他の殺害方法で殺されたのだと判断する。「…内臓が全て潰されている。まるで身体の中をかき混ぜられたかの様に……許せない。」あまりにも残酷な殺し方をされている為、グロードは沸々と怒りを覚えた。この場には他にグレン、ミーナ、エミル、ライク、ニケル、フィナ、ネル、そして八握剣(やつかのつるぎ)のギンジが居た。カイルとロゼアとアルバスは意識を取り戻したが、戦いで受けたダメージが大きく、今は休んでいる。他の八握剣(やつかのつるぎ)も同様に、命に別状は無いが大掛かりな治療が必要な状態である為、カイル達同様にこの場には居なかった。ノーム王が殺されている姿を見て先に悲しんだのは、当然八握剣(やつかのつるぎ)のリーダーであるギンジであった。「ノーム王…くっ…何で、こんな事に!」ギンジは両手を握りしめ、悔しさと悲しみで顔を横に向きながら涙を流していた。王の懐刀である八握剣。そのリーダーともあろう者が他のメンバーを救えず、更には王の命さえも守る事が出来ず、ノコノコと生き残ってしまった。ーー俺のせいで…役立たずにも程がある!しかし、それに対してミーナが。「ギンジさん。自分のせいだなんて思わないで下さい。皆んな
そして更に4年後。ラウスは18歳になり、ルーファスは9歳となる。ラウスは高校3年の学年となり、全ての成績において優秀な成績を収めていた。幼い頃から教えられた事は殆ど完璧にこなすその姿を見て、いつしかラウスは神童と呼ばれ将来を期待される様になる。しかし、ラウスは魔法を仕事にする道は選ばずそのまま農作業を営み続ける道を選んだ。当然教師はラウスを説得するもキッパリと断った。自分の将来の夢よりも、ルーファスの側にずっと居る事の方が大事だったからである。こうして学生の頃はそれなりに有名だったラウスは、突如として公の場から姿を消したのだ。一方、ルーファスもラウス同様に成績が良かった。ラウスが合間を縫って勉強を教えているのもあるが、どうやらルーファスも少し教えればすぐ覚える事が出来るのだろう。「(流石は俺の弟だな。)」勉強を見ていたラウスは心の中でルーファスを誉めていた。ある日、ルーファスはこの家に元々住んでいた老夫婦の写真が飾ってある仏壇を見て質問してきた。「兄さん。この人達って、僕達とはどういう関係なの?」あの頃、まだ赤ん坊だったルーファスはこの家に元々住んでいた老夫婦の存在を知らない。「この人達はね、俺達の親みたいな人だよ。本当の親じゃ無いけど、親のいない俺達の面倒を見てくれた人だ。」亡くなった老夫婦の事をラウスは自分の親だと思っており、ラウスにとっては生きていく術を教えてくれた恩師でもあった。「そーなんだ。…じゃあ、僕達の本当のお父さんとお母さんは?」1番聞かれたく無い質問をルーファスは悪気なく聞いてくる。当然である。ルーファスは親の事を何も知らない為、本当の親が気になるのは当然の事。…そっか、あの時お婆ちゃんはこんな気持ちだったんだ。そりゃ、言いたく無いよね。ラウスはルーファスに聞かれた事により、あの時のお婆ちゃんの気持ちが少し分かった。あの時から親の事はあまり思い出さない様に生きてきたラウス。正直、あまり親の事を聞かれても何て言ったら良いのか分からなかった。只、ラウス自身が抱いてる気持ちとして言った。「…ロクでも無い人達だよ。父親は俺と母親を置いて出て行き、残された母親も親の責任を放棄して出て行った。」まだ子供に言うべき事では無いのだろうが、ついつい自分の感情任せに言ってしまったラウス。「そうなんだ。…でも僕、少し会
お母さん…何で帰って来ないんだよぉ…。俺1人でどうしたら良いの?どれだけ待っても帰って来ない母親のヒスイ。既に半日以上待っていたのだが帰って来る気配が無い。ラウス自身、半日以上何も食べていない為、空腹が限界を通り越していた。「おぎゃー!!」泣き叫ぶ弟のルーファス。生後3ヶ月の赤ん坊。お腹も空くし、オムツもしてるから替えてあげないといけない。その他にも、身体を清潔にしないといけない。…どうすれば…。ラウスは寝室で泣いているルーファスの所へ行き、様子を見た。「おぎゃー!おぎゃー!」「凄く泣いてる…こんな時、お母さんどうしてたっけ?」ラウスは普段、母親がどうやってルーファスの世話をしていたのか思い出していた。そしてヒスイが何をしていたのか思い出したラウス。「…まずは、オムツかご飯か。どっちかだけど…嫌だなぁ、オムツの匂いを嗅ぐのは…」それでも我慢してオムツの匂いを嗅ぐラウス。「…多分こっちじゃ無いか。じゃあミルク作らないと。」ラウスは台所にルーファス用のミルクが保管されている所を覚えていた為、そこに行ってミルク粉と哺乳瓶を取り出す。「えっと…先にお湯を温めるんだっけ?」初めての事でどうすれば良いか分からないラウス。しかし、取り扱い説明書があったので、それを見ながら何とか作って哺乳瓶に入れる事が出来た。「よし!後は水で冷まして…よし!」人肌まで冷まし、ラウスはそれをルーファスに飲ませる為、ベッドから起こした。「おーよしよし!ミルクだよ〜。」ヒスイが言ってた様に真似しながら、ルーファスにミルクを飲ませてあげるラウス。ルーファスは勢いよくミルクを飲んでおり、よっぽどお腹が空いていたのが見て分かる。半日、何も食べなければ大人でもお腹が空くに決まってる。「俺も何か食べないと…。」そう言ってラウスは戸棚にある非常食を取り出し、空腹を埋める為にそれらをお腹に詰め込んだ。見たところ、非常食やミルクの量から数日は持つだろうと判断した。しかし、この食料が無くなったらどうしようかと。ラウスはそれが恐怖で堪らなかった。「どうすれば…後、お金だけど。お母さんの貯金でどれだけ過ごせるのか…。」勝手にお金を使う事に抵抗感があるも、生きる為には仕方ないとヒスイが管理してる通帳を確認する。子供では見た事の無い数字に驚くラウスであったが、実際の
真っ暗な暗闇の中。1人の女性が下を向きながら何かを覗き込んで泣いていた。「…ラウス……ルーファス……どうして、こんな事に…。」その女性はヒスイであった。ここは死後の世界であり、この暗闇の空間は死後の世界へ行く前の道。死後の狭間である。ヒスイは死後の世界へは行かず、死後の狭間にある暗闇の空間で家族を見守りながら待ち続けていたのだ。そして現世を見ながら自身の息子達が戦う姿を見て涙を流していた。すると後ろから。「…2人が戦っているのか?」その声の主はヒスイの父親であり、グレンに龍技の真髄を教えた竜の民のドグマであった。後ろからドグマに言われたヒスイは、涙を流しながら振り返る。「…お父さん。」「ヒスイ。…お前も辛いのは分かるが、今の俺達には見守る事しか出来ない。」そしてヒスイの隣に座り、現世で戦うグレン(ルーファス)とラウス。2人の戦いを覗き込む。「信じるしか無い。グレン…いや、ルーファスの事を。そして、あいつの強さを。…きっとあいつが兄を救ってくれる筈だ。」ヒスイはグレン(ルーファス)が生後3ヶ月の時にこの世を去った。ドグマもヒスイが家を出てから、自分に孫が居る事も知らずに30年間虚しく過ごしてきた。しかし、その孫であるグレン(ルーファス)は偶然にもヒスイの父であるドグマと出会い、龍技の真髄を教えてくれた。運命が知らない内に引き合わせてくれたのだ。そして今、ドグマに教えられた龍技の真髄によりグレンは、魔導兵器となり殺戮の呪縛に囚われた兄ラウスを救う為に戦っている。自分の弟子であり、孫でもあるグレンをドグマは信じていた。「(グレン。お前の生き様を、今こそ見せてくれ。)」ドグマの墓前で言ったグレンの誓いに対し、心の中で返答した。信じる事しか出来ないヒスイとドグマは、ラウスとルーファスの行く末が少しでも救われる様に、両手を合わせて祈る。あの世でヒスイとドグマが見守る中、現世ではグレンとラウスの死闘が繰り広げられている。戮力体竜変(りくりょくたいりゅうへん)によって竜人化したグレンは先程とは違い、身体機能が大幅に強化される。自然魔力を体内に取り込む戮力体竜変。それにより身体に現れた竜の鱗は鋼をも上回る強度を誇る。その拳でラウスの胸部を殴る。バコォォォン!!!グレンの拳により、ラウスの硬い胸部は拳大の大きさに凹んだ。グレ
「エバルフさんの悪魔化が…解けたぞー!」 「「うぉぉぉ!!でかしたぞお嬢ちゃん!!」」 エバルフの悪魔化が解けたことで部下たちは喜び叫んだ。 グレンはミーナがエバルフの悪魔化を止めれた事を未だ信じられないのか唖然としていた。 「信じられんな…ただの人間が悪魔化を阻止するなど…」 (まったくだ…てめえですら悪魔化を阻止できた事ねえのによぉ) グレンの悪魔もグレンと同じくミーナの行動を感心した。 「…何てことだ…あの人間の悪魔化を…」 悔しそうな顔をしながらブツブツ独り言のように喋るロフィス。 そして一気に顔の表情を強面に変えて。 「よくも俺達の計画を…3年
「お兄ちゃん!助けてー!」 「待ってろ!すぐ助ける!…くそっ、騎士団より悪魔が多すぎる…」 理由は分からないが突如現れた悪魔の大群は町に現れ、たくさんの人々を殺戮していた。 俺はちょうど騎士団の仕事でこの町にいたので仲間と共に悪魔に対抗していた。 大半の悪魔は倒したはずなのだがどういう訳か悪魔は増える一方でエバルフ達は苦戦していた。 その目の前には妹が悪魔に取り囲まれていた。 「エバルフさん!悪魔が多すぎて我々じゃとても…」 「くそっ、団長がいればいいんだが今あの人は他の任務だからな。どうすれば…」 エバルフが悩んでると妹を囲んでいた悪魔が妹を切り刻もうと爪を振
あの後グレンは一人で帰れそうにないミーナを家まで送り届け、今はこの町のはずれにある裏山みたいなところでパンをかじっていた。 (人の血を見た後によく飯が食えるな。) すると周りには誰もいないはずなのにどこからか声がした。 「…お前に言われたくない。」 誰もいない空間に対し返事をするグレン。端から見ると独り言を喋ってるかのようだった。 (ハハハ!それは違いねえな!てか昨日もそうだったがあの女、ミーナだったか?お前にしちゃ珍しく一人の女をやけに守ってたようだが何かあんのか?) 「…いや、別にない。ただあの女は俺に剣術を教えてくれた俺の師匠の娘だからだ。」 (あー、あのおっ
10年後、人々は悲劇の国キュアリーハートをこう呼んだ。 赤い地獄(レッドヘル)と。 今では化け物が住処としているらしく人間の立ち入りを禁止した。 化け物は人間の心臓と目が好きらしくそれを取って食べるので人は化け物の事をまるで悪魔のようだと言う。 そして人間の心臓を求めて他の国へ移動する悪魔もいる。 しかしこの世にはそんな悪魔に対抗する力があり、それを人々はこう呼んだ。 ー悪魔祓い(デビルブレイカー)と。 「ねぇ、聞いた?隣の国でまた悪魔の被害があったらしいわよ?」 「またなの?もう何度目なの?」 「ほんと、いい加減やめてほしいよねー。どうせ悪魔なんて噂話でし